ニュース速報
ワールド

イスラエルがベイルート南部空爆、ヒズボラとの停戦合意後初めて

2025年03月29日(土)02時17分

Tala Ramadan James Mackenzie Jana Choukeir

[ベイルート/エルサレム 28日 ロイター] - イスラエル軍は28日、レバノンからロケット弾が発射されたことを受け、同国南部のイスラム教シーア派組織ヒズボラのドローン施設を空爆した。ヒズボラはロケット発射への関与を否定している。

ロイターの記者によると、首都ベイルート南部に大規模な空爆があった。昨年11月のヒズボラとの停戦合意後、初めての激しい攻撃となり、合意が一段と不安定になっている。

イスラエルのネタニヤフ首相は28日、イスラエルは脅威に対抗するため、レバノンのどこであろうと攻撃を続ける方針を言明。「イスラエルは、われわれのコミュニティーへの発砲を1発たりとも許さない」とした。

ロケット弾発射の犯行声明を出した組織はない。

レバノン軍は、ロケット弾の発射地点を特定したと発表し、責任の所在を明らかにするための捜査を開始した。

国連レバノン特別調整官のジェニン・ヘニス・プラスシャール氏は事態は「非常に憂慮すべき」と指摘。「いかなる銃撃戦も度を越している。レバノンで再び大規模な紛争が発生すれば、双方の民間人にとって壊滅的な被害となるため、いかなる犠牲を払ってでも回避しなければならない」と述べた。

空爆に先立ち、イスラエル軍がベイルート南部に避難命令を出したことから、住民はパニックに陥り、道路が渋滞したため徒歩での避難を余儀なくされた。

イスラエル軍は22日に続き28日朝にレバノンから発射されたロケット弾を迎撃、自国の安全を守るために断固とした対応を取ると表明。カッツ国防相は声明で、同国北部ガリラヤ地方へのミサイル発射はレバノン政府に責任があると非難し、「ガリラヤ住民の安全を確保し、いかなる脅威にも強力に対処する」と述べた。

イスラエル軍によると、別のロケット弾はレバノン国内に着弾していた。

ヒズボラの幹部は声明で、ロケット弾発射への関与を否定した。 イスラエルは22日にも同様のロケット弾発射を受けてレバノン南部を攻撃しており、少なくとも8人が死亡している。

ヒズボラはこれらの事件とは無関係で停戦を順守していると強調し、イスラエルが軍事行動を継続するための口実を作る試みの一環だと主張している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

タイ、金取引の規制検討 「巨額」取引がバーツ高要因

ワールド

米当局、中国DJIなど外国製ドローンの新規承認禁止

ワールド

中国、米国に核軍縮の責任果たすよう要求 米国防総省

ワールド

11月スーパー販売額前年同月比2.8%増、9カ月連
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中