ロシアの核ドクトリン見直し、西側による「脅威」が要因=大統領府
9月4日、ロシアのペスコフ大統領報道官(写真)は「集団的西側諸国」の行動により、核使用条件を定めた同国の軍事ドクトリンの変更が必要になったとの見解を示した。2023年12月撮影(2024年 ロイター)
[ウラジオストク(ロシア) 4日 ロイター] - ロシア大統領府は4日、核兵器使用の条件を定めた核ドクトリンの見直しについて、米国とその西側同盟国がウクライナでの戦争をエスカレートさせ、ロシアの正当な安全保障上の利益を踏みにじっていることに脅かされているためと説明した。
ペスコフ報道官はこれまでで最も詳細な説明を行い、西側がつくり出した「脅威」が要因だとしたほか、冷戦後の欧州の安保構造を破壊したのは米国だと非難した。
西側がロシアとの対話を拒否し、「ウクライナでの熱戦」をあおりながらロシアの安保上の利益に反する攻撃路線を取っていると指摘。「緊張を高めているのは米国だ」と述べた。
核ドクトリンの見直しは初期段階にあることを示唆。現在の緊張を慎重に分析した上で、変更案のたたき台をつくるとした。
また、ウクライナが米国から供与された長距離兵器を使用してロシア領土の奥深くまで攻撃する可能性も考慮していると述べた。
ロシアが現在公表している核ドクトリンは2020年の大統領令で定められたもので、敵による核攻撃や国家の存立を脅かす通常攻撃を受けた場合に核兵器を使用する可能性があるとしている。