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ハンガリーとポーランド、関係が一段と悪化 外相が非難の応酬

2024年07月30日(火)14時28分

 7月29日、欧州連合(EU)の次回の非公式外相会合の開催地を巡り、ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相(写真)とポーランドのシコルスキ外相の間で食い違いが露呈した。5日撮影(2024年 ロイター/Evgenia Novozhenina)

[ブダペスト 29日 ロイター] - 欧州連合(EU)の次回の非公式外相会合の開催地を巡り、ハンガリーのシーヤールトー外務貿易相とポーランドのシコルスキ外相の間で食い違いが露呈した。シーヤールトー氏がシコルスキ氏を「うそつき」と呼ぶなど非難の応酬となり、両国間の外交問題に発展している。

ハンガリーとポーランドはかつて同盟関係にあったが、ハンガリーが経済、外交面でロシア寄りの路線を維持する方針を決め、EUによるウクライナ支援に反対したことで関係が悪化。ポーランドで昨年12月に親EU政権が発足した際には、司法制度やLGBT(性的少数者)といった問題を巡ってポーランドとハンガリーが歩調を合わせてEUと対立していた局面とは一線が引かれた格好となり、両国間の溝が一段と深まった。

シコルスキ氏は29日発行のオンラインメディア「ヴィシェグラード・インサイト」のインタビューで、シーヤールトー氏はハンガリー政府の指示を受けて次回の非公式外相会合をウクライナで開くというポーランドの提案について考えを変えたようだと述べた。

これに対してシーヤールトー氏はフェイスブックへの投稿で、「(シコルスキ氏は)また一線を越えた。非公式外相会合をウクライナで開くという彼のばかげた提案を私が熱烈に支持したと、うそをついた」とやり返した。

ポーランド外務省の報道官は、シコルスキ氏はシーヤールトー氏がポーランドの提案を支持しているという印象を持ったと説明。「そうでなかったなら、シコルスキ氏がシーヤールトー氏の態度を間違って解釈したことになる」と述べた。

ハンガリーとポーランドの両国政府の間ではこの数日、激しいやり取りが続いている。

ハンガリーのオルバン首相は27日、ポーランドはハンガリーがロシアと経済的な関係を持っていると批判しながら、中間業者を介してロシア産石油を購入していると非難した。

これに対してポーランドの外務次官は28日、ポーランド国営通信にロシアと取引している事実はないと反論。オルバン氏はEUや北大西洋条約機構(NATO)に残るのではなく、ロシアのような独裁的な国と同盟を組めばよいと皮肉った。

ロイター
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