ニュース速報
ワールド

ウクライナ復興会議が開幕、民間投資呼びかけ EUも支援表明

2024年06月12日(水)01時59分

 ウクライナのゼレンスキー大統領(写真)は11日、ベルリンで始まったウクライナ復興会議で、今年1ギガワット(GW)、数年以内に4GWのガス火力発電所を建設する計画があると表明し、投資や支援、設備の提供を要請した。シンガポールで2日撮影(2024年 ロイター/Edgar Su)

[ベルリン/キーウ 11日 ロイター] - ロシアによる全面侵略が続くウクライナの復興を協議する「ウクライナ復興会議」が11日、ベルリンで始まり、ウクライナとその同盟国は国際企業に対し戦後復興への数十億ドルの資金拠出を呼びかけた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は復興会議で、ロシア軍が3月に空爆を強化して以降、ウクライナの発電能力は9GW失われたとした上で、今年1ギガワット(GW)、数年以内に4GWのガス火力発電所を建設する計画があると表明。「ロシアはエネルギーを武器と見なしている」と述べ、支援を呼びかけた。

今回の復興会議では数十億ユーロの支援合意を取り付けることを期待していると述べた。ウクライナでの軍事装備や兵器の生産、近代的なエネルギーシステムの建設などが含まれるとした。教育、住宅の再建、医療機器の供給にも資金の一部が充てられることを期待していると述べた。

ドイツのショルツ首相は、民間企業による再建支援が必要との認識を表明。世界銀行の試算によるとウクライナでは10年間で5000億ドルが必要になると指摘し、企業に投資の意義を説明すべきだとした上で、ウクライナは再生可能エネルギー、IT、医薬品などの分野で可能性を秘めていると語った。

ウクライナのシュミハリ首相は戦争で荒廃した経済を再建するためには、今後10年間で年間100億─300億ドルの投資が必要との見通しを示した。経済成長を押し上げるには物流の改善と海外市場へのアクセスが鍵になると語った。

<EUもウクライナ民間投資誘致を支援>

ゼレンスキー氏はドイツ議会でも演説を実施。欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ショルツ首相とゼレンスキー氏と共に行った演説で、ウクライナへの民間投資誘致を支援するため銀行と14億ユーロ(15億ドル)の協定を結んだと発表。EUが独自の支援プログラムを通して今月末までにウクライナに19億ユーロを提供することも明らかにした。

ゼレンスキー氏の議会演説は、欧州議会選で躍進した右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」など2政党がボイコットした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

木原官房長官、撤回指示など明言せず 官邸幹部の「核

ワールド

NZ企業信頼感、12月は30年ぶり高水準 見通し指

ワールド

TikTok米事業、売却契約を締結 投資家主導の企

ビジネス

英消費者信頼感指数、12月は再び今年最高 増税回避
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    中国の次世代ステルス無人機「CH-7」が初飛行。偵察…
  • 6
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 7
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 10
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中