アマゾン「違法道路」、環境保護でコロンビア政府が破壊準備も停滞
世界最大の熱帯雨林があるアマゾン地域の内部および周辺で違法に建設された道路を破壊するコロンビア政府の取り組みが、このところ停滞している。写真は2021年3月、コロンビアのカケタで撮影(2024年 ロイター/Luisa Gonzalez)
Oliver Griffin
[ボゴタ 27日 ロイター] - 世界最大の熱帯雨林があるアマゾン地域の内部および周辺で違法に建設された道路を破壊するコロンビア政府の取り組みが、このところ停滞している。ペトロ政権と反政府組織の和平交渉を妨げる恐れがあるとの懸念から、道路の破壊が全面的に停止されているケースもあるという。8人の関係者が明らかにした。
環境の専門家や科学者によると、コロンビアでは武装勢力や地域社会、牧場主などによる違法な道路建設が、森林破壊の主な要因となっている。特にアマゾン地域は、気候変動の原因となる二酸化炭素を大量に吸収するだけに憂慮すべき問題だ。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているチリビケテ国立公園の内部と周辺には、違法に建設された道路が少なくとも12本ある。だが環境監視団体のグスタボ・ゲレーロ氏によると、ペトロ大統領が環境保護を約束しているにもかかわらず、違法道路の破壊は現在行われていない。
関係者の話では、チリビケテ国立公園に入る違法道路の破壊は止まったままだったり、破壊が開始すらされていなかったりするという。
ムハマッド環境・持続可能開発相はロイターに対し、道路破壊の取り組みは和平の実現や人権擁護、森林破壊対策を含む包括的戦略の一部だと指摘。「森林破壊と環境犯罪に対処するための作戦と計画は続いている」と説明した。
6人の関係者によると、チリビケテ国立公園を分断する道路は昨年12月に破壊する準備が整っていた。だが武装組織EMCとの和平交渉が妨げられるとの懸念などから、破壊は進んでいないという。
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