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アングル:ガソリン補助金、春以降も延長へ 与党に9月まで延長論

2024年03月27日(水)17時31分

 3月27日、4月末以降の取り扱いが未定となっているガソリン補助金(激変緩和措置)について、政府・与党内で延長幅の調整が進んでいる。写真は都内のガソリンスタンドで22年9月撮影。(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Yoshifumi Takemoto

[東京 27日 ロイター] - 4月末以降の取り扱いが未定となっているガソリン補助金(激変緩和措置)について、政府・与党内で延長幅の調整が進んでいる。与党内には9月までの延長論がでているが、政府内には電気・都市ガス補助金の早期終結論もあり、最終的な延長幅が焦点となる。

    ガソリン補助金は政府が2022年初め、電気・都市ガス補助金は23年初めに導入し、累次にわたり延長してきた。

    岸田文雄首相は昨年10月に、年末に終了する予定だったガソリン・電気・ガス補助金を春まで延長する方針を打ち出した。このうち電気・ガスについては5月に補助金が減額される方針となっているが、ガソリンについては5月の取り扱いも示されていない。

    岸田首相は今月18日の参院予算委員会で、補助金制度の延長について「国民生活や経済活動への影響を考慮して検討していくことは重要」と指摘。「(補助金制度延長について)出口戦略を考えていく上でも、国民生活や経済活動への影響を考慮して検討していくことは当然重要なこと」と述べていた。

政府内では現在、延長に向けて「最終調整段階」(経済産業省、財務省)という。

政府内では電力料金は十分安価になったとして延長に慎重論があり、「電力などの延長は6月まで。さらなる延長は財源確保が課題」(経産省)との声もある。

「夏場の電力需要に配慮して9月まで延長する場合、衆院解散と重なる可能性があり、再延長となる可能性もある」(財務省)との慎重論もある。

延長にもっとも慎重なのが経産省だ。「巨額の予算が補助金に使われ、産業・エネルギー政策への影響が懸念される」(幹部)ためだ。ガソリン・電気・ガスは必需品で、価格が高騰しても需要が大きく減ることがないため、「補助金によるソフト更新などの手間を業界が懸念する」(石油業界関係者)のも一因だ。

与党側にも「補助金政策は麻薬なので永遠に継続はできない。いつか辞めないといけないが、突然に停止はできない。延長とともに今後の出口戦略を描きたい」(自民幹部)との声がある。

一方で与党内には「岸田首相が6月までの衆院解散を念頭に置いている限り、6月までに補助金の打ち切りは難しい。電力需要が拡大する夏の補助金打ち切りも無理。9月までの延長が軸」(自民幹部)との声もある。公明党からも「ガソリン・電気・ガスともに基本延長」(幹部)との声がある。財務省内にも自公政権継続のためにはとりあえず秋まで延長し「その後のことはその時考えればよい」(幹部)との意見がある。

現状の補助金制度は、ガソリンについて全国平均価格が1リットル175円となるように設定している。電気料金は家庭用低圧電力で1kWh当たり3.5円、都市ガス料金は1立方メートル当たり15円補助している。

 (竹本能文)

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