ウクライナ全土にロシアの攻撃、弾道ミサイル多用で迎撃率低下
ロシアは8日、ウクライナ全土に対するミサイル攻撃を実施した。ウクライナ当局によると、住宅地や商業施設などが被害を受け、少なくとも4人が死亡、38人が負傷した。写真は1月8日、ウクライナ東部ハリコフ州のズミーウでロシア軍のミサイル攻撃で破壊された民間住宅(2024年 ロイター/Sofiia Gatilova)
Dan Peleschuk Pavel Polityuk
[キーウ 8日 ロイター] - ロシアは8日、ウクライナ全土に対するミサイル攻撃を実施した。ウクライナ当局によると、住宅地や商業施設などが被害を受け、少なくとも4人が死亡、38人が負傷した。
当局者によると、西部フメリニツキー州で重要インフラが攻撃され、少なくとも2人が死亡。南東部ドニエプロペトロフスク州のクリブイリフは9発のミサイル攻撃を受け、商業施設のほか多数の民間住宅に被害が出た。
ドニエプロペトロフスク州のセルヒイ・リサク知事は対話アプリ「テレグラム」に「ロシアは再び民間人を攻撃した。ミサイルが民間人に向けられた」と投稿した。
ロシア国防省はこの日、ウクライナの軍事産業目標を海と空から攻撃したと発表。「ウクライナの軍産複合体の施設を標的に、極超音速弾道ミサイル『キンジャール』を含む高精度・長距離兵器による多重攻撃を行った」とした。
ウクライナは51発のミサイルのうち18発を防空ミサイルで迎撃したと発表。迎撃できたミサイルの数が通常より少なくなっていることについて、放物線状の軌道を描いて着弾する弾道ミサイルをロシアが多用しているためと説明している。
一方、ロシア西部のベルゴロド州のグラドコフ知事は8日、ロシアの防空部隊がウクライナ国境近くのベルゴロド市に接近した複数の飛行物体を迎撃したと発表した。砲撃で住民3人が負傷したほか、高層アパート2棟で窓が吹き飛ばされ、数台の車両が損傷したという。