中国・EU首脳会談、バランスの取れた通商関係の必要性で一致

12月7日、中国の習近平国家主席は、中国と欧州連合(EU)は制度の違いで互いをライバル視すべきではなく、競争で協力を妨げられたり差異によって対立すべきでないと強調した。写真は中国と欧州の旗。2018年6月、北京で撮影(2023年 ロイター/Jason Lee)
[北京 7日 ロイター] - 中国と欧州連合(EU)は7日、4年ぶりに対面での首脳会談を実施し、通商関係をよりバランスの取れたものにしていく必要性で一致した。ただ、多くの懸案事項について見解の相違は埋められなかった。
フォンデアライエン欧州委員長、ミシェルEU大統領、EUの外相に当たるボレル外交安全保障上級代表らが中国を訪問した。来年は欧州議会議員選挙が予定されておりEU首脳陣の顔ぶれが変わるため、現行の指導部が中国首脳と直接顔を合わせる最後の機会となった。
EUは巨額の対中貿易赤字に触れ、中国による「不公平な競争」は容認できないと強調。中国は、EUが「制約的な」通商政策を導入ようとする際は慎重にすることを期待するなどとしてけん制した。
EUは、ウクライナ戦争終結に向けてロシアへの影響力を行使することやロシアの制裁逃れ阻止への協力を求めたが、進展はなかった。
ミシェル氏は、習近平国家主席や李強首相との会談後の会見で、中国とEUは国際ルールに基づく秩序の尊重を背景とした安定的かつ建設的な関係への関心を共有していると述べた。「通商・経済関係をより互恵的でバランスの取れたものにする必要がある」とし、外国企業の市場アクセス改善へ中国が具体的措置を講じることを期待すると語った。
EUの対中貿易赤字は約4000億ユーロ(4317億ドル)。
習近平国家主席は、中国とEUは制度の違いで互いをライバル視すべきではなく、競争で協力を妨げられたり差異によって対立すべきでないと強調した。中国外務省が会談での発言を明らかにした。
習主席は、中国はEUを重要な経済・貿易パートナー、技術協力の優先的パートナーとする用意があると述べた。
中国国営中央テレビ(CCTV)の報道によると、習主席はEU側に対し、相互関係において「あらゆる干渉を排除」するよう求めた。双方が互いに対する「正しい認識」を深め、相互理解と信頼を促進する必要があるとも述べた。
CCTVによると、李首相はEU首脳に対し、市場経済の基本規範に反する経済・貿易問題の「広範な政治化と安全保障化」に反対すると伝えた。