イスラエル軍、ガザ最大病院に接近 ハマスとの関連主張
イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの中心部と、イスラエルがハマス戦闘員が司令部を置いていると主張するガザ最大の医療施設アル・シファ病院に迫っている。写真は8日、アル・シファ病院に人々が避難する中、近くで煙が立ち上る様子(2023年 ロイター/Doaa Rouqa)
Nidal al-Mughrabi Emma Farge
[ガザ/ジュネーブ 9日 ロイター] - イスラエル軍は、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザの中心部と、イスラエルがハマス戦闘員が司令部を置いていると主張するガザ最大の医療施設アル・シファ病院に迫っている。
イスラエルが医療施設の保護に関する国際法をどう解釈するのか、またそこに避難している何千人もの避難民の扱いが懸念されている。
ガザ住民は9日、アル・シファ病院から約1.2キロの地点でイスラエル軍の戦車を目撃した。
イスラエルは、この病院に対する実効可能な計画は明らかにしていないが、最優先事項はハマスの指揮インフラを解体することだと表明している。
難民キャンプ、医療車両、病院付近への空爆は、すでにイスラエルの主要な西側同盟国の一部で、国際法の順守を巡り激しい議論を引き起こしている。
イスラエル軍の報道官は先に、ハマスが同病院を司令部や地下トンネル網への入口を隠すために利用していることを示す写真、図、音声記録を発表。「ハマスのテロリストは、アル・シファ病院やガザの他の病院の内部や地下で活動している」と述べた。
イスラエルは先週、同病院の入り口の外にあった救急車を攻撃。この救急車がハマス戦闘員を運んでいたとし、証拠を示すとしたが、まだ示していない。医療関係者によれば、救急車は負傷者を避難させる最中で、爆発で15人が死亡したという。
一方、ハマス、保健当局、アル・シファ病院の責任者たちは、ハマスが病院内や地下に軍事インフラを隠していないとし、国際検査を歓迎すると述べている。
国連人権高等弁務官事務所のリズ・スロッセル報道官は、病院は国際人道法の下で保護されている建物だとした上で、病院が軍事目的にも使用されているという疑惑によって状況は複雑になっていると指摘。敵に有害な行為をするために使用され、それをやめさせる警告を無視した医療施設は特別な保護を失う、と述べた。