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イスラエル首相が国防相更迭、司法改革で対立 各地で大規模デモ

3月26日、 イスラエルのネタニヤフ首相は、政権が推進する司法制度改革に公然と反対を表明したガラント国防相(写真)を更迭した。イスラエルの空港で9日撮影(2023年 ロイター/Amir Cohen)
[エルサレム 26日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は26日、政権が推進する司法制度改革に公然と反対を表明したガラント国防相を更迭した。
これに反発した多数の市民は深夜に各地で大規模な抗議デモを繰り広げた。エルサレムの首相官邸前にもデモ隊が集まり、警備を一時突破するなど騒然となり、警察が放水銃を使って排除した。
テルアビブではデモ隊が主要高速道路で大規模なかがり火をたいた。
司法制度改革は、法曹界ポストの政治任用を強化することや、政府が決定した政策に対する最高裁の判断権限を制限することなどが盛り込まれ、既に国内で何カ月も抗議デモが続いている。
ガラント氏は25日、抗議デモに予備役兵士の一部まで加わっている事態について、正規軍にも悪影響を及ぼし、国家安全保障を損なうものだと述べ、司法制度改革は支持できないと発言した。
これを受け首相府は26日、「ネタニヤフ首相がガラント国防相の更迭を決めた」と発表。後任者の名前は明らかにしなかった。
ガラント氏はその直後ツイッターに「イスラエル国家の安全保障(問題)はこれまでずっと、そしてこれからも常に私の人生の使命だ」と書き込んだ。
司法制度改革については、財務省高官や企業首脳らも過去数週間に悪影響について警告していた。
多数の公務員が加入するイスラエル労働組合連盟(ヒスタドルート)のトップは、ガラント氏の更迭に「驚いた」とし、27日に「劇的な」発表があると予告した。
イスラエルの駐ニューヨーク総領事は国防相更迭を受けて辞任を表明。国内の研究大学は司法制度改革を即刻凍結するよう求め、授業を停止すると発表した。