ニュース速報

ワールド

訂正:中国、米農産品購入巡る米国の要求に抵抗 交渉の難航招く=関係者

2019年10月31日(木)02時02分

 10月30日、トランプ米大統領は中国に対し、米農産品の大規模購入を確約するよう迫ってきたが、米中通商交渉に詳しい複数の関係者によると、中国がこの要求に抵抗していることが交渉の難航を招く主な要因になっている。写真はノースダコタ州で収穫された大豆。8月6日撮影(2019年 ロイター/Dan Koeck)

[ワシントン/北京 30日 ロイター] - トランプ米大統領は中国に対し、米農産品の大規模購入を確約するよう迫ってきたが、米中通商交渉に詳しい複数の関係者によると、中国がこの要求に抵抗していることが交渉の難航を招く主な要因になっている。

トランプ氏はこれまで、中国が購入する米農産品が年間500億ドル規模に達する可能性があると公言している。これは2017年の購入額の2倍以上の規模だ。

米国の交渉団は、米農産品の大規模購入を求める姿勢を崩していないが、中国側は大規模購入や期間に関する確約は拒んでいる。中国の輸入業者が市場の状況を踏まえて購入額を決める裁量が認められるよう望んでいるからだ。

中国国有企業の幹部は「中国は国民が必要としない商品を多く購入したり、需要がない時に特定のものを買うことは望んでいない」と説明。米農産品が「集中的に中国に流れ込めば、国内市場で消化するのは難しいかもしれない」と続けた。

農産品の過剰供給は国内価格に大きな悪影響を及ぼし、「需給バランスを崩す」と懸念を示した。

さらに、豚コレラのまん延で豚の飼育数が減り、米農産品のなかでも最も輸入量が多く、豚の飼料になる大豆の需要も大幅に低下した。

国有企業を含む中国の農産品輸入業者は通常、最も価格が安い輸入元から仕入れる。米国の要求を飲み、価格上のメリットや国内需要の状況に関係なく大規模な購入を実行するには、中国政府の介入が必要となる。

ただ、米中貿易戦争で米国の要求の核心となってきたのは中国が市場原理を大胆に取り入れ、国有企業への補助金や外資企業よりも国内企業を優遇する政策を停止すべきというものだった。

一部の貿易専門家は、明らかに状況が逆転していると指摘する。

オバマ前政権時代に米通商代表部(USTR)代表代理(訂正)を務めたミリアム・サピロ氏は、「米政府は通常、農産品輸出の価格や時期を管理することはない。これは民間部門の役割だ。ただ大統領は今回、管理する措置を取った」と指摘した。

ニコール・ラム・ヘイル元米商務次官補は「中国が抵抗し、『市場に決めて欲しい』と主張しているのは皮肉だ」とコメント。トランプ氏が要求している大規模な農産品購入は市場をゆがめる要因になるとした。

米政府当局者は29日、米中通商協議を巡る「第1段階」の合意文書署名が、チリで来月開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に間に合わない可能性が出てきたと明らかにしている。

*英文の訂正により、第10段落の「米通商代表部(USTR)次席代表」を「米通商代表部(USTR)代表代理」に訂正します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-米政府、海上停滞中のイラン産原油売却を容認 

ワールド

米国防総省、パランティアのAIを指揮統制システムに

ビジネス

米ユナイテッド航空 、秋まで運航便5%削減 中東情

ワールド

米、イラン戦争の目標達成に近づく=トランプ氏
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 8
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 8
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中