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補助金による貿易の歪みに対処する必要=ドイツ連銀総裁

2018年10月10日(水)00時53分

 10月9日、ドイツ連銀(中央銀行)のワイトマン総裁は、ロイターとのインタビューに応じ、世界の貿易秩序を改革して、知的財産の保護を強化するとともに、補助金による歪みを是正すべきだとの認識を示した。写真はベルリンで8月撮影(2018年 ロイター/Hannibal Hanschke)

[ベルリン 9日 ロイター] - ドイツ連銀(中央銀行)のワイトマン総裁は、IMF・世界銀行会合を前にロイターとのインタビューに応じ、世界の貿易秩序を改革して、知的財産の保護を強化するとともに、補助金による歪みを是正すべきだとの認識を示した。

総裁は、世界貿易機関(WTO)が掲げるルールに基づく自由な貿易を守るには、改革が不可欠だと指摘。「特に、知的財産の保護の改善と、国有企業や補助金が生み出す歪みへの対応が挙げられる」と述べた。

ドイツ政府高官によると、ショルツ財務相もWTOなどの国際機関への信頼再構築や債務削減を各国に訴える方針。

中国人民銀行(中央銀行)総裁を務めた周小川氏は先月、中国には、不正な補助金と知的財産に関するルールを強化する余地があると認めている。

ワイトマン総裁は、米国のトランプ政権が批判しているドイツの大幅な貿易黒字について、市場の決定、エネルギー価格、為替レートが主な原因であり、ドイツの投資が増えても、米国の貿易赤字削減には寄与しないと発言。

「一国の経常収支は、通商政策よりも、国内の貯蓄額・投資額に大きく左右される」と述べた。

総裁は、輸入関税は米国の貿易赤字を減らす適切な手段ではないとも発言。米国の貿易赤字は、景気循環を増幅する米国の積極財政により拡大する可能性が高いと指摘した。

ドイツ政府高官によると、IMF・世界銀行会合ではシャドーバンキング規制やサイバーセキュリティなども議題となる。

また、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議も開催されるが、G20として声明を出す計画はないという。

*内容を追加しました。

ロイター
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