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ロイターネクスト:米経済は好調、中国過剰生産対応へあらゆる選択肢=財務長官

2024年04月26日(金)09時24分

イエレン米財務長官は25日、第1・四半期の米経済成長率は約2年ぶりの低水準に落ち込んだものの、上方修正される可能性があるとした。2月撮影(2024年 ロイター/Carla Carniel )

(文中の余計な文字を削除して再送しました)

David Lawder Andrea Shalal Alessandra Galloni

[ワシントン 25日 ロイター] - イエレン米財務長官は25日、ロイターのインタビューに応じ、市場予想を下回った第1・四半期国内総生産(GDP)データが示唆している以上に米経済は強い可能性があるという見方を示した。また、米政府は中国の過剰生産能力がもたらす脅威に対応するため、あらゆる選択肢を排除していないと述べた。

ロシアの凍結資産3000億ドルからの金利収入をウクライナ支援に充てる米国の提案は、主要7カ国(G7)の同盟国から幅広い支持を得られるとの見解も示した。

米商務省が25日に発表した第1・四半期GDP速報値は年率換算で前期比1.6%増だった。伸びは前四半期の3.4%増から大幅に鈍化し、ほぼ2年ぶりの低水準だった。

イエレン氏は、GDPの伸びは市場予想の2.4%増に届かなかったが、「その理由は特異なもので基調的な力強さを示していない」と強調。

「米経済は引き続き非常に好調に推移している」とし、より多くのデータが出そろえば第1・四半期GDPは上方修正される可能性があると述べた。

「私が最も注目しているのは個人消費と投資支出の強さだ。最終需要であるこの2要素は昨年の伸びと同水準だった。つまり、これは米経済の基調的な力強さであり、引き続き堅調さを示し、経済がエンジンをフル回転させていることを示すものだ」と語った。

米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する食料とエネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)指数は3.7%上昇と前四半期の2.0%上昇から伸びが加速したが、イエレン氏はインフレ率をFRBの2%目標に戻すために、経済の他の分野、特に労働市場が軟化する必要があることを示唆しているとはみていないと言及。

「足元のファンダメンタルズはインフレが正常水準に戻り続けていることと一致している」とした。

<中国の過剰生産能力>

イエレン氏は米経済にとって脅威の一つである中国の過剰生産に対処するため、あらゆる選択肢が検討されていると語った。

中国の政策当局者は電気自動車(EV)や太陽光パネルなどのクリーンエネルギー製品で過剰生産能力の問題を抱えていることを認めているが、対処する必要があると指摘した。

米国の製造業を保護するために新たな関税などの措置を取る可能性はあるかと問われ、対応策としていかなる選択肢も排除しないとした。

<ロシア凍結資産>

また、ロシア凍結資産の利息をウクライナ支援に活用する案をG7財務相が議論していることについては、資産の没収なしに実現でき、一部の国の懸念を緩和するとの見方を示した。

「資産の差し押さえを懸念する国々から広く支持される可能性のあるアプローチで、利息の一部は融資などを通じて前倒しされる可能性がある」と述べた。

このアプローチは6月のG7首脳会議に向けて議論されている選択肢の一つという。

ロイター
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