トランプ政策になお不確実性、影響見極めに時間必要=クリーブランド連銀総裁

米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は9日、トランプ米政権の関税政策、その他の政策には依然、不確実性があると指摘し、適切な対応策を判断するためには、より時間をかけて政策が経済に与える影響を見ていく必要があるとの認識を示した。ニューヨークで4月撮影(2025年 ロイター/Mike Segar)
[パロアルト(米カリフォルニア州) 9日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は9日、トランプ米政権の関税政策、その他の政策には依然、不確実性があると指摘し、適切な対応策を判断するためには、より時間をかけて政策が経済に与える影響を見ていく必要があるとの認識を示した。
ハマック氏はロイターのインタビューで「明確かつ説得力のある証拠があればいつでも行動を起こす用意はあるが、これまで議論され実施されてきた政策の全体的範囲を考えると、その影響がどのようなものになるのかが問題で、(見極めに)より時間がかかるかもしれない」と述べた。
次の連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される6月までに出てくるデータは多くないとし、「私にとっては全てが時期尚早、全てが非常に流動的で、どのようなデータが出てくるか本当に様子を見る必要がある」とした。
米雇用市場はなお堅調だが、米連邦準備理事会(FRB)は米関税措置が及ぼす影響を意識している。ハマック氏は、関税の物価押し上げ効果が限定的で、経済が減速すれば「われわれの責務の一つである雇用に焦点を当てたい」と語った。
クリーブランド地区連銀の管区では、企業が需要減退に備えて人員削減を計画する動きが見られるが、これまで人員確保に苦労してきただけに実行には及び腰で「事態がどうなるか分からない状況」という。
関税の物価への影響については、一時的な押し上げにとどまるとの見方を示した。ただ、関税措置が発表されるにつれ、時間をかけて価格を調整するという企業もあるという。
「さまざまな政策をじっくり検討することが重要だ。財政支出政策、規制緩和、関税などの政策がもたらす結果は個々に異なる可能性がある。だから総合的に検討することが重要だ」と語った。