米グーグル、5000万ドルで和解へ 黒人従業員「人種的偏見」巡り

米グーグルは5月8日、黒人従業員らが組織的な人種的偏見に基づく扱いを受けたとして起こした集団訴訟で、5000万ドルを支払い和解することで暫定合意した。2018年11月、カリフォルニア州の本社で撮影(2025年 ロイター/Stephen Lam)
Jonathan Stempel
[9日 ロイター] - 米グーグルは8日、黒人従業員らが組織的な人種的偏見に基づく扱いを受けたとして起こした集団訴訟で、5000万ドルを支払い和解することで暫定合意した。カリフォルニア州とニューヨーク州のグーグル従業員4000人余りを原告とする同訴訟は、加州オークランドの連邦地裁に和解が申請された。和解成立には同裁判事の承認が必要。
原告はグーグルに「人種的偏見を持つ企業風土」があり、管理職は黒人をより低位の職につけたほか、賃金や勤務評価を引き下げ、昇進の機会を認めなかったと主張。2021年に黒人は従業員全体の4.4%、幹部級では3%にとどまったという。
原告の1人であるエイプリル・カーリー氏は、グーグルが自身の昇進を認めず、「怒りっぽい」黒人女性という固定観念に当てはめ、同氏がグーグルの人種的偏見に関する報告をまとめる中で、採用から6年で解雇したと述べた。
原告はまた、同社の管理職が黒人従業員について「グーグルらしさ」が足りないと評したことは、分かる人にだけ分かるようにした人種的なメッセージで、中傷だと指摘した。
グーグルは和解にあたり、不適切な行為を否定。関連法規を順守したとしている。