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ブラジル汚職が拡大、与党重鎮や大手投資銀CEO逮捕

2015年11月26日(木)12時12分

11月25日、ブラジル国営石油会社、ペトロブラスに端を発する汚職事件が金融界や政界にまで拡大した。写真は逮捕された投資銀行国内最大手、BTGパクチュアルのエステベスCEO。7月撮影(2015年 ロイター/NACHO DOCE)

[サンパウロ/ブラジリア 25日 ロイター] - ブラジル国営石油会社、ペトロブラスに端を発する汚職事件が25日、金融界や政界にまで拡大した。

警察は捜査妨害の疑いで、与党・労働者党の重鎮、デルシリオ・アマラル上院議員と、資産家で独立系投資銀行国内最大手、BTGパクチュアルのアンドレ・エステベス最高経営責任者(CEO)を逮捕した。最高裁の令状に基づくものとしている。

この日のサンパウロ株式市場で、BTGパクチュアル株は一時、39%急落して過去最安値をつける場面があった。通貨レアルも一時2%下落した。

ブラジル議会ではアマラル氏逮捕を受けて審議がストップ。アマラル氏は経済問題員会の委員長を務めるベテラン議員で、ルセフ大統領の財政緊縮プログラムの鍵を握る人物でもある。

ブラジル中央銀行は、エステベス氏の逮捕がBTGパクチュアルの営業に影響を及ぼすかどうかを監視しているとした。

BTGパクチュアルは中南米最大の独立系投資銀行。創業者のエステべス氏を欠いた同行が深刻なリセッション(景気後退)を乗り切れるのかアナリストからは不安視する声が上がっている。

ブラジル議会で有効な経済政策を打ち出す足かせとなっていた政治的混乱は、アマラル氏逮捕で一段と悪化する公算が大きい。

アマラル氏の逮捕はブラジルの現職上院議員としては初めて。ヘナン・カリェイロス上院議長は上院が対応を検討するために審議を停止した。ブラジル憲法下で上院は、議員の逮捕を認める最高裁決定を覆すことが可能だが、激論の末、賛成多数でアマラル氏逮捕を認めた。

最高裁のテオリ・ザバスキ判事は逮捕を許可した理由について、アマラル氏がペトロブラスの元幹部ネストール・セルベロ氏に賄賂を贈って司法取引に応じないよう求めようとしたことを示す記録を検察が提出したためと説明した。

アマラル氏の弁護士は同氏がペトロブラス汚職事件の捜査を妨害した事実はないと主張。また議員の不逮捕特権を無視したとして最高裁を非難した。

セルべロ氏は掘削船2隻の契約をめぐる贈賄事件に絡み、8月に汚職と資金洗浄の罪で懲役12年を言い渡された。

裁判所によると、エステベス氏の逮捕期間は5日間で、さらに5日間延長される可能性がある。アマラル氏の逮捕は無期限。

*内容を追加しました。

ロイター
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