ニュース速報
ビジネス

NY市場サマリー(5日)ドル上昇、利回り4日連続上昇 株反落

2026年03月06日(金)07時14分

<為替> ドル‌が円やユーロなどの主要通貨に対し地合を持ち直した。中東で軍事攻撃の応酬が激化‌する中、投資家心理が揺らぎ、ドルなどの安全資産の需要が再び高まっている。米国とイスラエルが2月28日にイランに対する軍事攻撃​を開始してからこの日で6日目。一時は事態沈静化への期待も出たが、4日に米国の潜水艦がスリランカの南部沖でイラン軍艦を撃沈したこと受け、イランは「米国は深く後悔することになる」と警告したほか、中東地域での爆撃の応酬は一段と激しさを増し⁠ており、先行き不透明感が再び高まっている。    ルーミス・セイルズ(ボ​ストン)の新興国債券部門共同責任者、エリザベス・コレラン氏は、米ドルは資金を保有する手段として価値のある手段なのか昨年来、疑問が出ており、「脱ドル化」が大きなテーマだったと指摘。ただ、米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃の開始を受け、今週に入ってから見られているようなボラティリティとリスクが高まる局面では確実にドルが上昇し、ユーロなどのその他の通貨が下落することが改めて示されたと述べた。     中東情勢の緊迫化を受け安全資産への逃避が強まる一方、インフレ懸念も再燃しており、従来「安全資産」と見なされてきた資産の動きが予測しにくくなる中、リスク回避の役割を果たす資産の見直しが必要になっている。    TDセキュリ⁠ティーズの為替戦略責任者ジャヤティ・バラドワジ氏は「原油市場でリスクプレミアムが高止まりしている間はドルの上昇基調は続く」と予想。米国の後押しを背景にイランで体制転換が起きるまで、こうした基調が続く可能性があるとの見方を示した。この日発表の米経済指標では、労働省発表の2月28日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)⁠が前週から横ばい​の21万3000件。2月に入り解雇件数が大幅に減少したことと合わせ、労働市場の底堅さが示された。ただ、6日に発表される2月の雇用統計が注目される中、相場の反応は鈍かった。終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.5%高の99.26。ドル/円は0.5%高の157.78円。ユーロ/ドルは0.4%安の1.1580ドル。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが4日連続で上昇した。イランを巡る紛争の拡大が原油価格の上昇圧力となり、インフレ懸念が高まったことで、連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が後退した。    先週の米軍とイスラエル軍によるイラン攻撃開始以来、原油価格は18%以上急騰した。    米国の10年国債の利回りは一時、3週間ぶりの高水準となる4.15%に上昇。終盤は5ベーシスポイント(bp)上昇の4.132%となった。利回りは過去4日間で17bp以上上昇し、4営業日の上昇幅としては7月初旬以来の大きさとなった。    フィラデルフィアのシンプリファイ・アセット・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・グリーン氏は「中東情勢に関連したガソリン価格の高騰は、FRBの反応を予想する人々にとって明らかに懸念材料だ。本当に重要なのは、インフレ懸念によりFRBが利下げを行うとい⁠う期待が薄れつつあることだ。それが何よりもイールドカーブを押し上げている」と指摘した。    LSEGのデータによると、市場は現在、FRBによる今年の利下げを約40bpと織り込んで‌いる。紛争開始前の約50bpから低下した。    30年債の利回りは2月12日以来の高水準となる4.772%を付けた。終盤は2.6bp上昇の4.743%となった。    CMEのフェドウオッチによると、FRBが6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも25bpの利下げを行うとの予想は32.2%に低下した。1週間前は47.4%、1カ月前は75%だった。    2年債と10年債の利⁠回り格差は54.4bpとなっ⁠た。    2年債利回りは4.4bp上昇し、3.587%となった。過去4営業日で約22bp急上昇し、4日間の上昇幅としては5月中旬以来の大きさとなっている。    物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.556%と、1月30日以来の高水準を付けた。10年物は2.303%で推移した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 反落し、ダウ工業株30種は約784ドル急落して取引を終えた。中東紛争が6日目に入り、原油価格が一段と上昇する中、インフレや米連邦準備理事会(FRB)の金融政策への影響を巡り懸念が強まった。より多くの国への紛争拡大がエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の航行混乱を巡る懸念に拍車をかけ、原油市場では米WTI先物が8.5%急騰。北海ブレント先物も4.9%上昇した。輸送混乱が長期化すれば、インフレが加速し、経済成長が減速すると懸念されている。nL6N3ZT1GR    ベアード・プライベー‌ト・ウェルス・マネジメントの市場ストラテジスト、マイケル・アントネリ氏は「きょうの原油を見れば、なぜ株式市場が下落しているのか全てが分かる」と指摘。「市場は紛争​がいつまで続くの‌か見極めようと必死だ」と述べた。    S&P総合500種では工業、素材、ヘルスケア⁠セクターが下げを主導。 旅客航空株は大幅安となった。一方、人工知能(AI)向け半導体の売上高​が来年に1000億ドルを超えるとの見通しを示したブロードコムは上昇し、指数の下げを抑制した。nL6N3ZT02R    ダウはJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株の下げも重しとなった。米労働省が5日発表した2月28日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週から横ばいの21万3000件だった。nL6N3ZT17I    LSEGがまとめたデータによると、投資家は物価上昇圧力によってFRBの25ベーシスポイント(bp)利下げが10月に後ずれすると予想している。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米国・イスラエルとイランの戦闘が激化する中、ドル高・ユーロ安に伴う割高感や米長期 金利の上昇に圧迫され、反落した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比56. 00ドル(1.09%)安の1オンス=5078.70ドル。

イランメディアによると、同国の精鋭軍事組織「革命防衛隊」は5日、ペルシャ湾北部で米国の石油タンカーをミサイル攻撃し、火災が発生したと発表した。イランは要衝ホル‌ムズ海峡を封鎖したと主張し、湾岸諸国への攻撃も強化している。一方、ヘグセス米国防長官は4日、数日内にイラン全域での制空権を握ると明言した。中東情勢の混迷が長期化 するとの警戒感を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、外国為替市場ではドルが対主 要通貨で上昇。ドル建てで取引される金の割高感が嫌気され、相場は朝方から売りが先行し、取引​中盤から5060ドル近辺で下値を探る展開となった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> イラン情勢の緊迫化に伴うエネルギー供給混乱への懸念が改⁠めて強まる中で急伸した。米 国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前日比6.35ドル(8.51%)高の1バレル=81.01ドル。中心限月の清算値ベースとしては202 4年7月中旬以来、約1年8カ月ぶりの高水準を付けた。5月物は5.18ドル高の78. 64ドル。

イランメディアによると、同国の精鋭軍事組織「革命防衛隊」は5日、ペルシャ湾北部 で米国の石油タンカーをミサイル攻撃し、火災が発生したと発表した。さらに、ロイターは同日、関係筋の話として、爆発物を積んだイランの遠隔操作船がイラン海域に停泊し​ていたバハマ船籍の石油タンカーに衝突し、小規模な爆発が起きたと報じた。イランは要衝ホルムズ海峡の閉鎖を主張しているほか、アラブ首長国連邦(UAE)やカタールなど湾岸諸国も攻撃しており、エネルギー施設に被害が出ている。中東情勢の緊迫化が長期化するとの観測も重なり、エネルギー供給混乱への警戒感が一段と高まる中、原油は朝方から買い進まれた。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 157.57/157.

61

始値 157.34

高値 157.85

安値 157.30

ユーロ/ドル NY終値 1.1607/1.16

10

始値 1.1611

高値 1.1624

安値 1.1560

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.0 4.7538

0 %

前営業日終値 100*17. 4.7170

00 %

10年債(指標銘柄) 17時02分 99*28.5 4.1383

0 %

前営業日終値 100*11. 4.0820

00 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 98*31.0 3.7285

0 %

前営業日終値 99*07.5 3.6690

0 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.3 3.5825

8 %

前営業日終値 99*21.7 3.5430

5 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 47954.74 -784.67 -1.61

前営業日終値 48739.41

ナスダック総合 22748.99 -58.50 -0.26

前営業日終値 22807.48

S&P総合500種 6830.71 -38.79 -0.56

前営業日終値 6869.50

COMEX金 4月限 5078.7 ‐56.0

前営業日終値 5134.7

COMEX銀 5月限 8218.1 ‐100.3

前営業日終値 8318.4

北海ブレント 5月限 85.41 +4.01

前営業日終値 81.40

米WTI先物 4月限 81.01 +6.35

前営業日終値 74.66

CRB商品指数 336.8506 +9.1682

前営業日終値 327.6824

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ペルシャ湾でタンカー攻撃増加、アゼルなど産油国にも

ワールド

イラン、数日内にホルムズ海峡の航行妨害困難に=イス

ワールド

米政府、エネ価格高騰に対処へ 原油先物関連措置も=

ワールド

米オラクル、数千人の削減を計画 データセンター費用
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    「え、履いてない?」モルディブ行きの飛行機で撮影された、パイロットの「まさかの姿」にSNS爆笑
  • 3
    「ハリポタ俳優で終わりたくない」...ハリー・メリングが新作『ピリオン』で見せた「別人級」の変身
  • 4
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 5
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 6
    対イラン攻撃に巻き込まれ、湾岸諸国が存立危機
  • 7
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「旅客数が多い空港」ランキン…
  • 9
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 9
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中