インタビュー:原子力事業の売上高、来年度に4000億円 30年から前倒し=西尾・三菱重CFO
三菱重工業の西尾浩・最高財務責任者(CFO)。3月4日、東京の本社で撮影(2026年 ロイター/Nobuhiro Kubo)
Nobuhiro Kubo
[東京 4日 ロイター] - 三菱重工業の西尾浩・最高財務責任者(CFO)は4日、ロイターとのインタビューで、原子力事業の売上高が2027年3月期に過去最高の4000億円程度まで伸長する可能性があると明らかにした。11年の福島第1原発事故後に日本の原発産業は停滞してきたが、政府が本格的な再稼働に舵を切ったことで反転しつつある。もともと30年ごろに4000億円を想定していたが、前倒しの達成を見込む。
西尾氏は「これまで2030年ごろ4000億円くらいにいくと言っていたのが、来年おそらく4000億円にいくと思っている」と説明。「想定していたよりも伸びが速い」と語った。原子炉のタイプは加圧水型(PWR)と沸騰水型(BWR)に分かれ、これまでに全国で計15基が再稼働した。第1号となった15年の九州電力 川内原発1号機をはじめ、三菱重工が手掛けるPWRが先行したが、福島第1原発と同じBWRも徐々に再稼働が始まった。PWRの再稼働に加え、BWRの支援にも関与していることなどが売り上げの伸長につながっているという。26年3月期の売上高は3700億円を計画している。
事業規模の拡大に合わせ、増員も進めている。25年3月期から27年3月期までの事業計画期間内に1割を増やす方針で、25年3月期は約200人を採用。26年3月期はそれを上回る採用を予定している。ここ2、3年、原子力の部署を志望して入社する社員が増えているという。
西尾氏は「必要なものは必要という信念でやってきた」とし、「日本の電力需要を考えたときに、エネルギー安全保障という観点からもすべて再生エネルギーに頼ることはあり得ない。脱炭素を勘案し、日本のエネルギーミックスを考えると原子力は当然その一翼を担う」と語った。
建て替えや新設に備え、三菱重工は新型炉の開発も進めている。基本設計は完了しており、今後は詳細設計、建設へ移行する。今後10年から15年程度を見込んでおり、西尾氏は「2030年代の後半から収益計上が始まると見立てている」と話した。関西電力 は美浜原発の建て替えを検討しており、三菱重工の新型炉を候補に挙げている。
SMRと呼ばれる小型の次世代原子炉も開発しているが、「ずいぶん先か、あるいは経済合理性がなかなか成り立たないのではないかという気はしている」と語った。
(久保信博、Tim Kelly 編集:橋本浩)
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