米政権の政策、ドル離れの度合いを左右=モルガン・スタンレー報告書
米ドル、ユーロ、ポンドの紙幣。2025年5月撮影。REUTERS/Dado Ruvic
[ロンドン 21日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーは21日、米ドルの地位が過去25年間で徐々に低下してきた中、トランプ米大統領による政策展開が「短期的なドル離れの度合いを決定する上で極めて重要になる」とする報告書を公表した。ただ、他に代替できる基軸通貨は見当たらず、最高値圏で推移する金が「最大のライバル」になるとも指摘した。
同行は、「多極化世界」への移行がドルの地位に疑問を投げかけているとの見方を示した上で、トランプ政権の債務や貿易、制裁措置、安全保障、米国の主要機関に関する政策を具体例として挙げ、こうした政策の不確実性が「ドル離れに関して、中立もしくはやや加速させるものと考えられる」との見解を示した。ドルを巡る課題には、債務問題のほか連邦準備理事会(FRB)など主要機関の独立性への圧力も含まれるとした。
また、トランプ氏は政治的譲歩を引き出す手段として関税を用い、グリーンランドを巡って欧州諸国と対立して北大西洋条約機構(NATO)にも緊張をもたらしており、ドルに対して上下両方向に変動をもたらす要因となると指摘した。
NATOをはじめとする同盟関係は、米国の同盟国が保有するドル準備高を約30%ポイント押し上げるとする過去の分析を紹介した上で、NATOが崩壊した場合、ドルに悪影響が及ぶ可能性があるとした。一方、地政学的な不安定性の高まりが安全資産としてのドルの需要を高める可能性もあるとも指摘した。
過去1年半で金価格が2倍に上昇して各国の中央銀行による金の保有額は約4兆ドルに達し、米国債の保有額約3兆9000億ドルを上回る水準となっている。
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