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NY市場サマリー(16日)ダウ・S&P続落 ドル/円下落 原油4年10カ月ぶり安値

2025年12月17日(水)06時45分

<為替> ドルが主要通貨に対して下落した。この日発表された米雇用統計は強弱混合の内容となった。

労働省が発表した雇用統計によると、非農業部門雇用者数は10月に政府支出削減の影響で減少した後、11月には回復した。一方、11月の失業率は労働市場の弱含みで、4年超ぶりの高水準となった。

データ発表後ドルは他の主要通貨に対して下落し、ドル指数は0.11%安の98.15と、2日続落の見通しとなった。

BNYマーケッツの米大陸FXマクロ戦略責任者ジョン・ベリス氏は「雇用にはいくつか良い兆候があり、予想より若干良かったものの、データはまちまちで、大幅に好調だったわけではない」と指摘。「マイナス要因は失業率が4.6%に上昇したことで、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定を巡る懸念につながる可能性がある」と述べた。

TSロンバードのグローバル・マクロ・アナリストのダリオ・パーキンス氏は投資家向けメモで、「特に労働統計局(BLS)が今回のデータは通常よりも信頼性が低いと注意喚起していることを考えると、今回の雇用統計は状況を大きく変えるものではない」と述べた。

CMEのフェドウオッチによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む米連邦準備理事会(FRB)が次回の1月会合で金利を据え置く確率は75.6%と、1週間前の約70%から上昇している。

ドルは対円で0.36%安の154.65円。市場では日銀の利上げがほぼ織り込まれているものの、政策当局者が春季労使交渉(春闘)に臨むにあたり再び金融引き締めを行う兆候を示せば、タカ派的な転換を意味するとの見方もある。日銀は18─19日に金融政策決定会合を開く。

ドルは対スイスフランでは0.18%安の0.79475フランとなった。

一方、ユーロは対ドルで0.05%高の1.1788ドルと、5営業日続伸の見通しとなった。

市場では、欧州中央銀行(ECB)が18日開く理事会で政策金利を据え置くとの見方が大勢となっている。

英ポンドは0.39%高の1.34305ドルと、2カ月ぶりの高値を付けた。イングランド銀行(英中央銀行)も18日に金融政策発表を控える。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.62%高の8万7629.19ドル。イーサリアムは0.05%高の2947.45ドルとなった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券>

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は午後の取引で下げ幅を縮小し、ナスダック総合がプラス圏で取引を終えた一方、S&P総合500種とダウ工業株30種は続落した。ヘルスケア関連やエネルギー株への売りが重しとなった。投資家は来年の米金融政策見通しを見極めようと、政府機関閉鎖の影響で遅れて発表された経済指標を精査した。    米労働省が発表した雇用統計によると、非農業部門雇用者数は10月に政府支出削減の影響で減少した後、11月は6万4000人増加した。一方、11月の失業率は労働市場の弱含みで4.6%と、4年超ぶりの高水準となった。

米商務省が発表した10月の小売売上高(季節調整済み)は前月から横ばい。エコノミスト予想は0.1%増だった。

ネーションワイドのチーフ市場ストラテジスト、マーク・ハケット氏は「これらは全てかなり古いニュースだ。ほとんどのデータは米連邦準備理事会(FRB)の政策にどのような影響を与えるかという観点で見られているが、きょうのデータが目立った変化をもたらす可能性は低い」と述べた。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物>ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、利益確定の売りに押され、4営業日ぶりに反落した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比2.90ドル(0.07%)安の1オンス=4332.30ドル。米雇用統計、米購買担当者景況指数(PMI)速報値について、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げの方向性を大きく覆すものではない、との見方が広がり、外国為替市場では対ユーロでドル売りが優勢。ドル建てで取引される金の割安感につながり、金が一時買われた。

ただ、金相場が再び史上最高値に迫る中で、高値警戒感から利益確定の売りも出やすく、金はこの日の高値を付けた後は売りに押される展開となった。強弱まちまちの経済指標の内容を受け、一段の買いも手控えられたもようだ。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、ウクライナ和平協議の行方が注視される中、原油売りに流れが強まり、4営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は中心限月として2日連続で2021年2月初旬以来、約4年10カ月ぶりの安値を更新した。

ロシアのウクライナ侵攻終結に向けた和平案を巡り、ロシアの対応が焦点となる中、和平合意実現への楽観的な見方も根強く、西側諸国がロシア産原油輸出に対する制裁を緩和すれば、国際石油市場の供給余剰が拡大すると依然として警戒する向きも多い。このため原油売りの流れに拍車が掛かり、レンジを切り下げた。市場の関心は、米官民が16日夕、17日午前に公表する週間原油在庫統計に向いている。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY午後4時 154.78/154.

82

始値 154.81

高値 154.99

安値 154.40

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1747/1.17

49

始値 1.1763

高値 1.1803

安値 1.1736

米東部時間

30年債(指標銘柄) 16時39分 96*29.50 4.8201%

前営業日終値 96*14.00 4.8520%

10年債(指標銘柄) 16時36分 98*25.50 4.1489%

前営業日終値 98*17.00 4.1820%

5年債(指標銘柄) 16時38分 99*03.25 3.6999%

前営業日終値 98*30.50 3.7330%

2年債(指標銘柄) 16時36分 99*25.13 3.4891%

前営業日終値 99*24.00 3.5080%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 48114.26 -302.30 -0.62

前営業日終値 48416.56

ナスダック総合 23111.46 +54.05 +0.23

前営業日終値 23057.41

S&P総合500種 6800.26 -16.25 -0.24

前営業日終値 6816.51

COMEX金 2月限 4332.3 ‐2.9

前営業日終値 4335.2

COMEX銀 3月限 6332.3 ‐26.6

前営業日終値 6358.9

北海ブレント 2月限 58.92 ‐1.64

前営業日終値 60.56

米WTI先物 1月限 55.27 ‐1.55

前営業日終値 56.82

CRB商品指数 291.6924 ‐3.8039

前営業日終値 295.4963

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