米、第一三共の抗がん剤など承認 乳がん1次治療用
写真は米食品医薬品局(FDA)の看板。2020年8月、米メリーランド州ホワイトオークで撮影。REUTERS/Andrew Kelly
[15日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は15日、特定の乳がんの1次治療に英製薬大手アストラゼネカと第一三共の抗がん剤「エンハーツ」と、スイス同業ロシュの抗がん剤「パージェタ」を併用することを承認したと発表した。
エンハーツは2019年後半にHER2陽性の乳がん患者の3次治療用として米国で承認された。既に特定の乳がん、胃がん、肺がんの治療薬として承認されており、抗体薬物複合体としてHER2陽性のがん細胞に直接化学療法剤を送る仕組み。
パージェタはロシュ傘下のジェネンテックが開発。トラスツズマブなどとの併用で、HER2陽性の転移性乳がんの治療用として12年6月に承認された。 転移性疾患についてこれまで化学療法を受けていない、HER2陽性の進行した乳がん患者1157人を対象とした臨床試験では、エンハーツとパージェタを併用した治療で、治療後にがんが進行せず安定した状態の期間(無増悪生存期間、PFS)の中央値が40.7カ月と、標準治療の26.9カ月を上回った。
患者の87%で腫瘍の縮小または消失が認められ、こちらも標準治療の81%を上回った。ただ、臨床試験に参加した患者のうち、両方の治療を合わせて16%が死亡するなど、生存に関するデータは十分にそろっていない。





