自動車総連、中小組合ベア1万2000円以上実現へ=26年春闘方針
Kentaro Sugiyama
[東京 12日 ロイター] - 自動車関連の労働組合で組織する自動車総連は12日、2026年春闘で中小組合の賃金改善分(いわゆるベースアップ相当)について月額1万2000円以上にこだわる方針を示した。賃上げ率は5%程度。物価高が継続する中、全世代・全組合員の実質賃金がプラス転化するよう取り組む。
自動車総連は企業グループ別の労連が結集した組織で、12労連(1014組合、約78万4000人)で構成されている。米国の関税措置が企業収益を圧迫する中、春闘全体の動向を占う上で、その要求方針が注目されていた。同方針は26年1月15日に開く中央委員会で正式決定する予定。
自動車総連の25年春闘の最終集計では、大手を含む賃金改善分の平均獲得額は9520円、定期昇給相当分を合わせた賃上げ額は1万2886円。いずれも1976年以降で最高となったものの、世代別や企業規模別では結果にばらつきがあった。
同日会見した金子晃浩会長は、ベア1万2000円以上としたのは経営側に要求しにくい環境にある中小組合を念頭に置いたものであり、「一般的に基礎賃金が高い大手・中堅はその水準は十分超えるだろうということが前提となっている」と語った。
自動車総連の上位組織にあたる連合は、5%以上の賃上げにこだわる姿勢を示している。23年に3.58%だった賃上げ率(定期昇給分を含む)は24年に5.10%、25年に5.25%と加速したものの、物価変動の影響を除いた実質賃金はマイナスが続いていた。
一方、自動車総連、電機連合、ものづくり産業労働組合(JAM)、基幹労連、全電線の5つの産業別労働組合で構成する「金属労協」も26年春闘で月額1万2000円以上のベアを要求する。
日銀の植田和男総裁は前回の金融政策決定会合後の会見で、春闘については自動車関係を注意深く見ていきたいとの考えを示していた。
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