来年はボラティリティー高く利益上げるチャンス、資産運用幹部らが予想
写真は12月1日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)で撮影。REUTERS/Brendan McDermid
[アブダビ 9日 ロイター] - 来年は地政学的な緊張と金利差拡大により金融市場の変動が激しくなり、利益を得るチャンスになる――。アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで開催された金融イベントで9日、同国と欧州の投資会社幹部ら3人がこうした見方を示した。
今年はトランプ米大統領の関税措置が二転三転して世界の市場を振り回したほか、米連邦準備理事会(FRB)や日銀など主要中央銀行の政策の方向性が注目された。
アブダビの政府系ファンド「アブダビ投資評議会」の運用責任者、シブ・スリニバサン氏は、来年は地政学イベントや各国の選挙が市場のボラティリティーを上昇させると予想し、「痛みはチャンスだ」と指摘。「従って、われわれはマクロ戦略、そしてロング・ボラティリティー(ボラティリティーの上昇を見込む)戦略を有望視している」と述べた。
同氏は、株価が20%超も下落した2022年に、マクロ戦略とトレンド追随型のCTA(商品投資顧問業者)が好調だったと指摘した。
英資産運用会社マン・グループのロビン・グルー最高経営責任者(CEO)は「ヘッジファンドとオルタナティブ投資家は、ボラティリティーはチャンスだという話をしがちだが、私もそう思う」と語った。
ヘッジファンド運用会社、ブレバン・ハワードのアーロン・ランディーCEOは、各国ごとの資産価格の乖離(かいり)が拡大すると予想。「米政権が姿勢を転換して『中国は最高の友達になった』と宣言するシナリオなど想像できない」と述べた。
同氏は、世界的な金利格差と暗号資産(仮想通貨)投資にも大きなチャンスがあるとし、「仮想通貨はもちろん変動が激しい。だが仮想通貨に関して最もリスクが大きいのは、まったく投資しないことだ」と話した。





