アングル:国際マネーが日本に再流入、高市政権への期待や分散投資で

10月22日、グローバルに運用されている資金が再び日本に流入しつつある。写真は2024年2月、都内の株価ボードで撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Rae Wee Laura Matthews Ankur Banerjee
[シンガポール/ロンドン/ニューヨーク 21日 ロイター] - グローバルに運用されている資金が再び日本に流入しつつある。
今月に入って日本の政界は激動し、各党入り乱れて政権獲得を巡る駆け引きが繰り広げられた。その結果、自民党と日本維新の会の連立合意を経て高市早苗新首相が誕生したが、この間に日本株・債券には海外からの資金が持続的に流れ込んだ。
高市氏が掲げた「責任ある積極財政」や低金利志向を受け、日経平均株価(225種)は何度も過去最高値を更新。割高な米国株や欧州株から一部資金を振り向ける動きにつながった。
BNPパリバ・アセット・マネジメントのFXポートフォリオマネジャー、ピーター・バサロ氏は、高市氏の首相選出とともに日本株が「失われた数十年をついに乗り越えたという心理的なインパクト」が資金流入を促進する力があるのは間違いないと分析。こうした流れは「米国資産のバリュエーションに対する懸念および政策不透明感が、米国に極端に集中しているポジションを日本に再配分しようとする一部投資家の背中を押している構図と符号するだろう」と述べた。
9月に米連邦準備理事会(FRB)が利下げを再開して以来、金融市場は世界的に活況を呈した。それまで巨大テック企業や人工知能(AI)関連銘柄に限定されていた株高の裾野が一気に広がって米国の小型株や欧州株、日本株、金、暗号資産(仮想通貨)ビットコインなどが軒並み最高値に達した。
その中でも日本株はバリュエーションの面で魅力を備えている。米ナスダック総合は年初来の上昇率が19%、株価収益率(PER)は34倍だが、日経平均株価は上昇率24%に対して、PERは22倍にとどまっている。
10月11日までの2週間で外国人の日本株買越額は4兆3600億円(289億ドル)と、2週間ベースでは少なくとも2005年以来の規模に膨らんだ。それ以前の3週間は売り越しだった。
もっとも複数の運用担当者は、海外資金の日本株物色は緩やかで選別性を帯びると予想している。
「高市トレード」に付随する最大のリスクは、海外投資家の間でまだ自民党と日本維新の会の関係性が把握されていないことと、片山さつき新財務相になじみが薄いことだ。
維新は高市氏と思想信条に親和性がある半面、小さな政府路線を打ち出す。高市氏は既に、経済再生とインフレで苦境に陥った家計支援のため歳出を拡大するとの約束をややトーンダウンさせている。
<トラスかトランプか>
ロンドンに拠点を置く金融アドバイザー、JBドラックス・オノレで日本市場アナリストを務めるジェームズ・マルコム氏の下には、今回の日本の政局が始まって以来、ヘッジファンドや実需投資家からの問い合わせが殺到し続けている。
国際投資家の間では当初、連立与党間の政策方針を巡る対立によって高市政権は、2022年のトラス英保守党政権と同じく短命に終わるのではないかと心配されていたが、現在は高市氏をナショナリスト的な発言などからトランプ米大統領に重ね合わせる見方に変ってきた。
マルコム氏は日本に関して「トランプ・トレード的な要素は多少ある。今後はもっと多くの刺激策も出てくるだろう」と話す。
しかし「高市氏は政治的な自由度が乏しく、AIブームもないし、むしろ沈んでいく経済のかじ取りをしなければならない。短期的には好意的な目を向けられるだろうが、金利がより急速に上昇し始めたり、円が弱くなったりした時点で、(投資家の)視線は厳しくなる」とくぎを刺した。
実際に高市トレードに基づいて円と日本の長期国債は売りを浴びている。金利が低く据え置かれ、先進国でも最大規模の債務負担を抱える中で、さらなる景気刺激策が実施されるのではないかとの観測が背景にある。
円安は日本の輸出企業にとって有益だが、海外投資家にはマイナスでしかない。
ただファースト・センティア・インベスターズのアジア債券責任者を務めるナイジェル・フー氏は、利上げに反対する政治圧力があっても、日銀は政策金利の引き上げを続けると考えており、日本国債には強気姿勢だ。
「誰もがパニックに陥っている局面で買い増すのがわれわれの常道で、それは値ごろ感が理由だ」と語るフー氏は、日本国債は特にドイツ国債との比較で非常に妙味がある上に、米政府への不信感が継続すれば、日本の投資家の資金がより多く本国に戻ると想定できると説明した。
ラッセル・インベストメンツの債券・外国為替ソリューションズ戦略グローバル責任者、バン・ルー氏も「日本資金の米国からの環流は、現時点で最も確度の高い再配分の原資にみえる」と指摘した。
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