米国のベネズエラ沖攻撃は「法的に認められない処刑行為」=国連専門家
国連の独立専門家グループは21日、米軍がベネズエラ沖の公海上で違法薬物を運んでいたとする船舶を攻撃した問題について声明を発表し、カリブ海地域の平和と安全に対する危険を深刻化させ、「法的に認められない処刑行為」に相当すると述べた。写真はコロンブス海峡を航行する漁業トロール船。19日撮影(2025年 ロイター/Andrea De Silva)
Jasper Ward
[21日 ロイター] - 国連の独立専門家グループは21日、米軍がベネズエラ沖の公海上で違法薬物を運んでいたとする船舶を攻撃した問題について声明を発表し、カリブ海地域の平和と安全に対する危険を深刻化させ、「法的に認められない処刑行為」に相当すると述べた。
トランプ米大統領はカリブ海で麻薬を密輸していた疑いのある船舶を少なくとも6隻攻撃するよう命令し、少なくとも27人が死亡した。
国連専門家らは国連人権理事会によって任命された。トランプ氏が軍事行動を正当化する主張を認識しているとしながら、「たとえそのような主張が立証されたとしても、国際水域で法的な根拠のないまま死をもたらす武力行使は、海洋法および国際海洋法に違反する」と述べた。また米国の攻撃はベネズエラの主権を侵害し、他国の内政問題に干渉して他国に武力を行使すると脅すことを禁じる米国の「基本的な国際義務」にも違反していると指摘した。
米政府は今回の行動について、武力攻撃に対する自衛権に基づく行動を安全保障理事会に速やかに報告するよう義務付けた国連憲章第51条に準拠していると主張している。
ベネズエラのヒル外相は国連専門家の声明について通信アプリ「テレグラム」に投稿し、米軍事行動に関するベネズエラ政府の懸念を裏付けたと述べた。また「米国は自衛権を正当化するために敵をでっち上げ、カリブ海での虐殺につながっている」と批判した。





