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印ITサービス大手が軒並み好業績、AI関連需要追い風で前途に明るさ

2025年10月17日(金)09時33分

インフォシス、ウィプロ、LTIマインドツリーといったインドITサービス大手が10月16日発表した第2・四半期(7-9月)決算は、いずれも売上高が市場予想を上回り、年度後半の需要回復を示した。写真はバンガロールにあるインフォシスのキャンパス。2012年2月撮影(2025年 ロイター/Vivek Prakash)

Haripriya Suresh Sai Ishwarbharath B

[ベンガルール 16日 ロイター] - インフォシス、ウィプロ、LTIマインドツリーといったインドITサービス大手が16日発表した第2・四半期(7-9月)決算は、いずれも売上高が市場予想を上回り、年度後半の需要回復を示した。

過去数四半期にわたってインドのITサービス業界は、米関税を巡る不透明感を背景とした顧客の支出削減で苦戦を強いられてきた。

しかし先週の最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)に続く軒並みの好業績で、業界の前途は明るくなっている。

人工知能(AI)ブームによってより多くの企業がITと関連するプロジェクトへの投資を検討しており、これがインドのITサービス業界の大幅な増収をもたらす可能性を秘めている。

インフォシスのサリル・パレク最高経営責任者(CEO)は「われわれは自動化の波と事業効率化のためのAI活用からの恩恵を受け続けている」と語り、企業AI分野には膨大な商機があると指摘した。

同社は通期売上高伸び率見通しも従来の1-3%を2-3%に引き上げた。

ジェフリーズのアナリストチームは、インフォシスの「堅調な受注案件」を踏まえればこの見通しは達成可能だと述べた。

第3・四半期(10-12月)売上高伸び率をマイナス0.5-プラス1.5%と見込むウィプロも、AIプロジェクトに対する顧客の積極姿勢が追い風になっている。

ウィプロのスリニ・パリアCEOは「上向き続けている新たな需要はAIだ。顧客は概念実証から一歩進んで、AIや自律型AIをビジネスプロセスやワークフロー全体に実装したがっている」と説明した。

アナリストの間では、インドITサービス業界にとって第2・四半期は最悪局面が過ぎ去った時期との見方が出ている。

ストックスボックスのアナリスト。サガル・シェティー氏は「顧客の優先順位がAIとデジタル化加速に向かう中で、安定化しつつあるITセクターは徐々に勢いを取り戻していることが今回の業績ではっきりした」と述べた。

アナンド・ラティのスショボン・ナヤク氏は、決算発表を終えた大半のITサービス企業には「回復の芽」が見えたと言及した。

特に各社の業績を押し上げたのは、金融サービス分野の顧客の支出が持ち直したことだった。

ロイター
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