ニュース速報
ビジネス

午後3時のドルは151円付近で横ばい、決め手欠く 自・維政策協議に関心

2025年10月16日(木)15時44分

 10月16日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からほぼ横ばいの151円付近で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年7月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Atsuko Aoyama

[東京 16日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からほぼ横ばいの151円付近で推移している。決め手となる材料に欠ける中で、ドル買いもドル売りも進まない方向感の定まらない値動きが続いた。連立政権樹立を視野に自民党と日本維新の会が臨む政策協議が注目されており、「高市トレード」を巻き戻していた向きから一部でドルの買い戻しが入っているとの見方も聞かれる。

ドルは前日海外で下落した流れを引き継ぎ、朝方は売りが優勢で推移。午前9時前後から下げが加速し、いったん150円半ばまで売られた。切り返した後、再び下落して午前11時前に1週間半ぶり安値を更新すると、その後は午後にかけてドル買いが強まった。

朝方はドルが151円割れの水準で推移していたことから、午前中は実需勢などがドル150円割れとなる前に売りを出した可能性や、ストップロスを巻き込んで下落が加速した可能性を指摘する声が聞かれた。沖縄県金融経済懇談会であいさつした日銀の田村直樹審議委員の発言が午前中に伝わり、ドル/円を一段と下押ししたとの見方もある。

朝方は、ベセント米財務長官との会談後の加藤勝信財務相による発言機会もあり、「(ドル/円下落の流れと)結びつけるには良い材料ではあるものの、150円台という水準での売り意欲があったとみられる」(国内銀行の為替セールス担当者)という。

ベセント氏は米時間15日、日銀が「適切な金融政策」を進めれば、円は自らのふさわしい水準を見いだすとの認識を示した一方、加藤氏は先週の市場で円安方向の急激な動きがみられたなどとする見解を示した。

午後に入るとドル買いが強まったが、自民党と日本維新の会による政策協議を前に、「高市トレード」を巻き戻していた「売り筋がドルを買い戻している可能性がある」(SBIFXトレードの上田真理人取締役)との見方が聞かれた。一方で、通商問題を巡って米中の応酬が続く中でドルの重しとなる展開は変わらず、「ドルを思い切って買えない」(同)状況という。

ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円

午後3時現在 151.04/151.09 1.1660/1.1661 176.12/176.13

午前9時現在 150.99/151.00 1.1645/1.1647 175.84/175.85

NY午後5時 151.05/151.07 1.1647/1.1648 175.91/175.95

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 8
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中