英中銀、ステーブルコイン保有上限は金融安定脅かさない場合に限り適用除外へ

　イングランド銀行（ＢＯＥ、英中央銀行）は、以前提案した個人や企業によるステーブルコイン保有の上限規制について、金融安定の脅威にならないと確信が得られた場合に限って適用を除外する方針だ。写真は英中銀の建物。ロンドンで２月撮影（２０２５年　ロイター/Toby Melville）

Phoebe Seers

[ロンドン １５日 ロイター] - イングランド銀行（ＢＯＥ、英中央銀行）は、以前提案した個人や企業によるステーブルコイン保有の上限規制について、金融安定の脅威にならないと確信が得られた場合に限って適用を除外する方針だ。

ＢＯＥは、法定通貨に連動して価値を安定させるデジタルマネーのステーブルコインの導入に対して、他の主要中央銀行よりも厳しい姿勢を示している。

暗号資産（仮想通貨）業界は上限規制案に反対しているが、ＢＯＥのブリーデン副総裁は１５日の講演で、銀行預金からステーブルコインへ急速かつ大幅な資金移動が起きる可能性がある以上、規制は必要だと主張した。

ブリーデン氏は、そうした資金流出は「銀行システムがノンバンクからホールセール市場を利用して大規模かつ迅速に資金調達を拡大できない場合、企業や家計への信用供与が急激に落ち込む」恐れがあると説明した。

ＢＯＥが先に提示した規制案では、個人のステーブルコイン保有上限は１万─２万ポンド、企業はそれより高い水準に設定されている。

一方でブリーデン氏は、最大手企業は要請があればより多くのステーブルコインを保有できるように規制対象から外す公算が大きいと言及。英国の仮想通貨規制が遅れているとの見方を否定し、米国と足並みをそろえる形で来年中には規制の枠組みが整うと予想した。