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中国コンテナ船、英国向け輸送時間を半減 北極海航路の初航海完了

2025年10月15日(水)11時53分

 中国新華社によると、同国のコンテナ船が北極海を経由して英国の港に向かう初航海を終えた。欧州向け電気自動車(EV)や太陽光パネルの輸送時間が半減できたという。写真は中国の国旗。北京で2020年4月撮影(2025年 ロイター/Thomas Peter)

[北京 14日 ロイター] - 中国新華社によると、同国のコンテナ船が北極海を経由して英国の港に向かう初航海を終えた。欧州向け電気自動車(EV)や太陽光パネルの輸送時間が半減できたという。

コンテナ船「イスタンブール・ブリッジ号」は当初18日間で到着すると予想されていたが、ノルウェー沖の嵐の影響で2日間遅れた。それでも、スエズ運河や喜望峰を経由する貨物船が要する40─50日間より早く到着した。

新たな航路は、ロシアの排他的経済水域(EEZ)内の北極海を通過するルートで、地球温暖化の影響で船舶の航行が可能となった。

中国は米国との貿易摩擦に直面する中、世界3位の経済規模を持つ欧州連合(EU)とのよりスピーディーな海上接続を模索している。海外での製品販売に大きく依存した経済成長を維持するため、中国政府が輸出市場の多様化を進めているためだ。

中国の9月の欧州向け輸出は14%増だった一方、対米輸出は27%減となった。

過去40年間で、北極は世界平均の4倍の速さで温暖化が進行。これにより海氷が著しく減少し、季節的な商業航路が生まれた。ただ、気候や航行状況の予測は困難だという。

新華社によると、約4000個のコンテナを積み、寧波舟山港を出発したイスタンブール・ブリッジは13日に英国最大のコンテナ港フェリクストウに入港し、ドイツやポーランド、オランダにも寄港する計画。 同船は中国系海運会社「海傑航運」に運営されているという。同社はロイターのコメントの求めに応じていない。

ロイター
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