ソブリン債務再編、進展ある一方で複雑な問題も=IMF報告書

10月8日 国際通貨基金(IMF)は7日、民間部門が所有するソブリン債務を取り巻く法的枠組みは、特に債券についてはおおむね有効であることが証明されているとしつつ、ローンや担保付債務についてはギャップが残っており、再編は長期化・複雑化しているとする報告書を公表した。写真は2024年11月、米ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)
[7日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は7日、民間部門が所有するソブリン債務を取り巻く法的枠組みは、特に債券についてはおおむね有効であることが証明されているとしつつ、ローンや担保付債務についてはギャップが残っており、再編は長期化・複雑化しているとする報告書を公表した。
5年ごとに更新するこの報告書は、2020年から25年半ばまでの再編事例を基に、民間債権者が関与した8件から得られた教訓を引き出している。
最も進展があったのは債券の再編で、5件で集団行動条項が行使され、賛成票を多く集めた。スリナム、ガーナ、ザンビア、ウクライナといった国々の債券の交換を成功させるために、さまざまな種類の投票が用いられた。スリランカの22年満期債のみが係争中となっている。
報告書は「国際債の再編は、強化された集団行動条項によって効果的に促進され、非常に高い債権者参加率を実現した」と評価した。
一方、ガーナ、スリランカ、ザンビア、スリナムでは、ローン債権者との交渉が未解決のまま。ローン契約における多数決条項の欠如や債権者グループの分断などが問題となっている。
IMFは「債権者間の調整が限られているため、債務者は各債権者と交渉しなければならず、キャパシティーが限られる国にとっては非常に時間とコストがかかる」と述べている。
担保付債務、つまり資産プールを裏付けとする債務の増加が課題となっており、各国は天然資源収入や国有企業の株式、あるいは自国の債券など、あらゆるものを担保として差し入れている。
IMFは、債権者がより良い条件を要求したり、再編に全面的に抵抗したりすることがあるため、これが再編における公平な負担の障害になると指摘している。