日経平均は5日ぶり反落、急上昇の反動で利益確定売り優勢

10月8日 東京株式市場で日経平均は5営業日ぶりに反落し、前営業日比215円89銭安の4万7734円99銭で取引を終えた。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Hiroko Hamada
[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は5営業日ぶりに反落し、前営業日比215円89銭安の4万7734円99銭で取引を終えた。急ピッチな上昇の反動で利益確定売りが優勢となった。指数寄与度の大きいハイテク株の一角が売られた。一方、全面安の展開とはならず金融株などは堅調だった。TOPIX(東証株価指数)は終値ベースの最高値を更新した。
日経平均は前営業日比25円安と小幅安でスタートした直後下げ幅を広げたが、すぐにプラス転換し200円超高となる場面があった。後場は軟調な地合いとなり、後場終盤には222円安の4万7728円27銭まで下げた。物色面では、前日の米ハイテク株安の流れを受けて東京市場でも半導体関連の一角が軟調に推移した。ただ、どんどん売りが強まる展開にはならず、「AI(人工知能)の成長性に対する見方は変わらないので、下がったところでは押し目買いも入りやすい」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。決算など個別材料を手掛かりにした物色もみられた。
市場では「日経平均は短期間で急上昇したので、反動の売りが出やすくなっている」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー、浪岡宏氏)との声が聞かれた。目先については、これまでのように勢いを伴って上昇する地合いは一服するのではないか、という。浪岡氏は「今後の政権運営を見極めたいとするムードも強まりやすく、指数は横ばいとなりそうだ」と話した。
TOPIXは0.24%高の3235.66ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.24%高の1665.91ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は5兆8674億5300万円だった。東証33業種では、非鉄金属、水産・農林、保険など14業種が値上がり。ゴム製品、精密機器、パルプ・紙など19業種は値下がりした。
個別では、前日に業績と配当予想の引き上げを公表したわらべや日洋ホールディングスがストップ高で引けた。IHIは大幅高。同社子会社とオーストラリアの新興企業で小型衛星の技術実証に関する共同研究契約を締結したと前日に発表し、材料視された。
指数寄与度の大きいソフトバンクグループ、東京エレクトロンは軟調。信越化学工業やディスコ、アドバンテストも下落した。一方、フジクラが大幅高だった。
東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングスは堅調だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり557銘柄(34%)に対し、値下がりが999銘柄(61%)、変わらずが60銘柄(3%)だった。