ドイツ鉱工業生産、8月は侵攻以来最大の落ち込み 経済縮小示唆

10月8日 ドイツ連邦統計局が8日発表した8月の鉱工業生産は前月比4.3%減と、予想以上の落ち込みとなった。写真は6月4日、独ラシュタットで撮影(2025年 ロイター/Christoph Steitz)
Maria Martinez
[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツ連邦統計局が8日発表した8月の鉱工業生産は前月比4.3%減少し、ロシアのウクライナ侵攻開始直後の2022年3月以来、3年超ぶりの大幅な落ち込みとなった。自動車産業の生産が急減した。
減少幅は、ロイターがまとめたアナリスト予想(1.0%減)を大幅に上回った。
6─8月は前期比1.3%減。
自動車産業の生産は前月比18.5%減。工場の年次休業や生産ラインの切り替えが影響した。
関税絡みの駆け込みがなくなり米国の需要が減速した。
INGのマクロ部門グローバルヘッドのカーステン・ブルゼスキ氏は「一時的要因が働いている可能性があるとしても、鉱工業生産の落ち込みは、米国の駆け込み終了を強く反映する」と述べ、ドイツ経済が第2・四半期に続き第3・四半期も縮小するリスクが高まったと指摘した。
コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ソルビーン氏は、鉱工業生産統計は第3・四半期に経済がほとんど拡大しなかったことをあらためて示唆したと述べた。
統計によると、機械、設備、医薬品、電気・電子製品、コンピューターなどの生産も大きく減少した。
7日発表の8月の鉱工業受注は4カ月連続の前月比減少だった。
コメルツのソルビーン氏は、鉱工業受注、生産ともに業界回復の兆しがないことを示したとし「生産トレンドは依然、下向きだ」と述べた。