午後3時のドルは147円後半に上昇、日銀総裁発言で円売り 総裁選にも関心

10月3日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の147円後半で推移している。写真は米ドル紙幣。2022年2月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Atsuko Aoyama
[東京 3日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の147円後半で推移している。日銀の植田和男総裁の発言は従来と変わらない内容だったものの、タカ派的なトーンを期待する向きの失望を誘ったとの声が聞かれた。週末の自民党総裁選がドル/円相場に及ぼす影響についても思惑が交錯している。
ドルは朝方の147円前半から、午後にかけて147.82円まで上値を伸ばした。実質的な五・十日に当たり、実需のドル買いが仲値公示前後に集まったほか、日経平均の上昇も円売りを促した。午前の植田総裁の大阪経済4団体共催懇談会での講演が市場の期待ほどタカ派的ではないとの見方から、ドル/円は上げ足を速めた。
植田総裁は午前のあいさつで、経済・物価の中心的見通しが実現する確度や、上振れ・下振れ双方のリスクを丹念に点検し、予断を持たずに適切に政策判断していく方針を示した。午後の記者会見では「ビハインド・ザ・カーブに陥るリスクは今のところ可能性が高いとはみていない」などと述べた。
ハト派として知られる日銀の野口旭審議委員のタカ派的な発言で、日銀の利上げに対する市場の観測が高まっていたこともあり、植田総裁の発言機会は「10月利上げに向けた地ならしになるとの期待感があったが、裏切られた」(国内銀行の為替セールス担当者)との見方が聞かれた。
自民党総裁選への関心も高く、候補者の中で金融緩和に積極的とみられている高市早苗前経済安全保障担当相が選ばれれば円安との見方が市場関係者の間では根強い。一方、SBIFXトレードのエグゼクティブアドバイザー、斎藤裕司氏は、国会議員の支持動向で優位とされる小泉進次郎農林水産相が選ばれれば「株安となり、為替は円高に振れる可能性がある」と指摘。ただ、仮に円高方向に動いてもドル/円は「145円を試す程度の下げにとどまる」とみている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 147.77/147.8 1.1716/1.17 173.15/173.
1 18 16
午前9時現在 147.14/147.1 1.1723/1.17 172.53/172.
8 26 54
NY午後5時 147.24/147.2 1.1713/1.17 172.50/172.
8 17 54