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米8月PCE価格2.7%上昇に加速、2月以来の大幅な伸び

2025年09月27日(土)00時03分

 米商務省が26日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.7%上昇で、7月(2.6%上昇)から若干加速した。ニューヨークで7月撮影(2025年 ロイター/Jeenah Moon)

[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.7%上昇した。2月以来の大幅な伸びとなり、米経済が第3・四半期も堅調を維持した兆候を示唆した。7月の2.6%上昇から若干加速し、市場予想と一致した。

前月比も0.3%上昇で、予想と一致。7月の0.2%上昇から加速した。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比2.9%上昇、前月比0.2%上昇で、伸びはともに7月と同じだった。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのチーフエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、「政策金利を直ちにかつ大幅に引き下げる必要があるというミラン米連邦準備理事会(FRB)理事の主張を裏付ける内容ではない」と指摘。「実際のところ、金融緩和を推奨するような根拠は全くない」と述べた。

個人消費支出は前月比0.6%増。7月の0.5%増から加速し、市場予想の0.5%増を上回った。

8月は旅行や外食、娯楽サービスなどへの支出が好調で、サービスへの支出は前月比0.5%増。

自動車、衣料品、ガソリンなどのエネルギー製品、食料品などへの支出も増加し、モノへの支出は0.8%増と、前月の0.6%増から加速した。

個人所得は0.4%増。ただ賃金の伸びは0.3%上昇にとどまった。

スパルタン・キャピタル・セキュリティーズの首席マーケットエコノミスト、ピーター・カルディロ氏は「結論としては、インフレは依然粘着性があるが、米連邦準備理事会(FRB)の年内少なくとも1回の利下げを阻むほど加速する兆しはない」と指摘した。

ボケ・キャピタル・パートナーズの最高投資責任者(CIO)、キム・フォレスト氏は、「FRBが引き続き雇用を重視するか、それとも再びインフレの方に注目するかが重要な問題」とした上で、PCEは若干予想より強かったが格段眼を引くものはなく、FRBは来週の雇用統計を注目するとの見方を示した。

ロイター
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