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グーグルのデジタル市場法違反問題、欧州委が数カ月中に最終判断か=関係者

2025年09月26日(金)11時25分

 欧州連合(EU)欧州委員会は、米グーグルに対して巨大IT規制「デジタル市場法(DMA)」に違反していると今年3月に暫定的な見解を通知した件で、数カ月中に最終判断を下す公算が大きい。写真は、同社ロゴを含めたイメージ。5月13日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Foo Yun Chee

[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は、米グーグルに対して巨大IT規制「デジタル市場法(DMA)」に違反していると今年3月に暫定的な見解を通知した件で、数カ月中に最終判断を下す公算が大きい。グーグルが正式に違反認定されれば、同社としてDMAの下で初めて制裁金処分を課されそうだ。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。

DMAは巨大ITによる市場支配の抑制と公正な競争確保のため2023年に施行された法律。欧州委は3月、グーグルがショッピングや航空券・ホテル予約などの自社関連サービスを検索順位で優遇し、競合サービスが不利な扱いを受けている点がDMA違反だとの認識を示していた。

欧州委が正式に違反認定した場合、グーグルに世界全体の売上高の最大10%相当を制裁金として支払うよう命じることが可能だ。

グーグルはこれまで懸念払しょくに向けて数回、改善案を提示しているが、競合サービス事業者の不満を和らげることができていない。

3人の関係者は、新たな改善案の内容次第でグーグルはまだ制裁金処分を回避できる余地があると説明した。

関係者の話では、トランプ米政権によるEUの巨大IT規制への批判や米欧間の貿易摩擦を踏まえ、欧州委としては最終判断を急がない構えだ。

ただ欧州委は、米政府の圧力で米巨大ITへの監視姿勢を後退させるつもりはないと表明している。

ロイター
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