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中国の新気候目標、必要より「大きく不足」=欧州委員

2025年09月26日(金)14時17分

 欧州連合(EU)欧州委員会のフックストラ気候変動対策担当委員は25日、中国が示した新たな気候変動対策目標は「大きく不足」しており、気候変動減速に向けた世界目標の達成が一段と困難になると述べた。写真は2023年11月、中国陝西省神木市で撮影(2025年 ロイター/Colleen Howe)

Kate Abnett

[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会のフックストラ気候変動対策担当委員は25日、中国が示した新たな気候変動対策目標は「大きく不足」しており、気候変動減速に向けた世界目標の達成が一段と困難になると述べた。EUは独自の排出削減目標の合意に苦戦している。

中国の習近平国家主席は24日、2035年までに温室効果ガスの排出量をピーク時より7―10%削減する計画を明らかにした。米ニューヨークで開かれた国連の気候サミット(首脳会議)に北京から中継した動画メッセージで表明した。

EUは、気候サミットに間に合う目標合意に至らず、今週は新たな気候変動対策目標を発表しなかった。

フックストラ氏は「残念ながら、中国が提出した自主設定目標(NDC)は、われわれが達成可能かつ必要と考える水準を大きく下回っている。この野心レベルは明らかに失望させられるもので、中国の膨大な影響を考慮すると、世界の気候変動対策目標の達成は著しく困難になる」と声明で述べた。

さらに「われわれは引き続き、中国(とその他諸国)に現在の野心レベルを超える努力を促し、パリ協定に基づく共同の約束を尊重するよう求めていく」と述べた。

中国外務省はコメント要請に応じていない。

世界最大の排出国である中国の目標は、気候変動抑制に向けた世界的な取り組みに決定的な影響を持つ。

今回の目標は中国が排出量削減を約束するとの初めての表明となったものの、削減量は、同国が世界的な合意目標を順守するのに必要と一部科学者が指摘する水準には遠く及ばない。指摘では、気温上昇を1.5度に抑制するとの世界目標達成には、中国が35年までに排出を30%削減する必要があるという。

ロイター
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