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ECB、銀行の監督業務一部緩和 米の動き受け業界から圧力

2025年09月09日(火)01時50分

欧州中央銀行(ECB)の銀行監督委員会のドナリー委員は8日、ECBが担うユーロ圏の銀行への監督業務について、自社株買いの承認取得やストレステスト(健全性審査)の方法など、一部を緩和していると明らかにした。写真は独フランクフルトにあるECBビル。2024年6月撮影(2025年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[フランクフルト 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の銀行監督委員会のドナリー委員は8日、ECBが担うユーロ圏の銀行への監督業務について、自社株買いの承認取得やストレステスト(健全性審査)の方法など、一部を緩和していると明らかにした。

トランプ米政権が米国で規制緩和を表明し、銀行以外の金融機関「シャドーバンク」が信用業務で存在感を高める中、ECBは銀行業界から負担緩和への圧力を受けていた。

ドナリー氏は新規任命や自社株買い、内部モデルといった承認審査の迅速化や、ストレステストでの銀行の作業量削減など、ECBが講じた一連の措置をブログに投稿した。一方、金融部門の健全性を確保するため、簡素化を過度に進めるべきではないとの立場を改めて表明した。

ECBのデギンドス副総裁が議長を務め、ドナリー氏が参加する作業部会は最近、理事会に対し複数の簡素化案を提示。現在、ユーロ圏20カ国の中央銀行で議論が進められている。

ドイツの銀行監督当局は「小規模で複雑性が低い銀行」向けに別枠の制度を創設することを提案。欧州連合(EU)の規則で定められる包括的な要件ではなく、単一の資本要件だけを適用するとしている。

EUは今年に入り、トランプ政権における米国の金融分野での規制緩和措置を見極めるため、国際ルールに沿った新たな銀行取引の規制措置策定の延期を明らかにしている。

ロイター
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