ドイツ7月輸出、米国向け低迷で予想外の減少 鉱工業生産は増加

9月8日、ドイツ連邦統計庁が発表した7月の輸出は、前月比で予想外の減少となった一方、鉱工業生産は増加した。写真は2月、ハンブルク港で撮影(2025年 ロイター/Fabian Bimmer)
Maria Martinez
[8日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が8日発表した7月の輸出は、関税の影響で米国への需要が急減したことから、前月比で予想外の減少となった。一方、鉱工業生産は増加した。
7月の輸出は前月比0.6%減だった。ロイターがまとめた市場予想は0.1%増。輸入は同0.1%減となった。
対米輸出は前月比7.9%減少した。欧州連合(EU)向け輸出は2.5%増加したが、EU域外向けは4.5%減少した。
貿易収支は147億ユーロ(172億3000万ドル)の黒字で、6月の154億ユーロ、2024年7月の177億ユーロから減少した。
コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ソルビーン氏は、輸出が一部で懸念されているほど景気減速の原因になることはないとし、ユーロ圏への輸出が増加する可能性があるとの見方を示した。
一方、7月の鉱工業生産指数は前月比1.3%上昇した。市場予想は1.0%上昇だった。
変動の少ない3カ月ごとの比較では、5─7月の生産は4─6月からて0.1%低下した。
6月は前月比1.9%低下から0.1%低下へ上方修正された。統計庁は追加データの提出と自動車業界の大手企業からのデータ訂正が要因と説明した。
INGのマクロ部門グローバルヘッド、カーステン・ブルゼスキ氏は「ドイツ産業が少なくとも循環的な回復を遂げるとの期待は残っている」と指摘。遅くとも来年には、新政権の積極財政の恩恵を受けるとの見方を示した。