日経平均は3日続伸、米国の相互関税発動も過度な悲観後退

8月7日、東京株式市場で日経平均は3日続伸し、前営業日比264円29銭高の4万1059円15銭で取引を終えた。写真は2024年2月、都内の株価ボードで撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Noriyuki Hirata
[東京 7日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続伸し、前営業日比264円29銭高の4万1059円15銭で取引を終えた。午後に米相互関税が発動したが、決算発表を通じて企業業績への影響が明らかになるにつれ、過度な悲観は後退している。朝方は弱い場面もあったが、前日の米株高を好感する動きが徐々に優勢になった。TOPIXは取引時間中と終値がともに史上最高値を更新した。
トランプ米大統領が半導体に約100%の輸入関税を課す考えを明らかにしたことが伝わる中、日経平均は126円安で寄り付いたが、前日の米国市場で株高だったこともあり、短時間でプラスに転じた。一時369円高の4万1164円に上値を伸ばした。
市場では、企業の決算発表が進む中で「実際の関税の影響が思っていたほどではないとの安心感が全般的にはあるようだ」(東海東京インテリジェンス・ラボの長田清英チーフストラテジスト)との見方が聞かれた。午後には相互関税が発動されたが、株価はトヨタ自動車の決算を控えて目立った動きはなかった。
トヨタ株は、午後に業績予想の下方修正を発表した後に軟化した。自動車株がつれ安となり、日経平均も上げ幅を縮小する場面があった。ただ、指数の下げは長続きせず、過度な悲観には傾かなかった。
海外勢の買いが日本株高を後押ししているとの思惑がある一方、足元の株価には強すぎとの警戒感もある。「海外勢の買いが止まると大きめの調整になる傾向があり、(足元の株高には)危うさもありそうだ」(長田氏)との声も聞かれる。 TOPIXは0.72%高の2987.92ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.72%高の1537.81ポイントだった。プライム市場の売買代金は5兆6928億5700万円だった。東証33業種では、値上がりは電気・ガスや倉庫・運輸関連、銀行など27業種、値下がりは輸送用機器やゴム製品、精密機器など5業種だった。 業績予想の上方修正を発表したフジクラが上場来高値を更新。ソニーグループも決算が好感されしっかりだった。一部の証券会社が目標株価引き上げたエムスリーは一時ストップ高をつけた。一方、上方修正した見通しが市場予想に届かなかったホンダは軟調。台湾の子会社元社員による機密情報不正取得が伝わった東京エレクトロンは大幅安だった。 新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.24%高の781.45ポイントと反発した。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1021銘柄(62%)、値下がりは544銘柄(33%)、変わらずは58銘柄(3%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 41059.15 264.29 40668.19 40,668.19─41,164.11
TOPIX 2987.92 21.35 2963.23 2,962.94─2,993.21
プライム指数 1537.81 10.98 1525.16 1,525.16─1,540.51
スタンダード指数 1448.06 9.7 1441.41 1,441.41─1,448.06
グロース指数 1009.66 11.18 999.45 999.02─1,010.14
グロース250指数 781.45 9.57 772.8 772.33─781.94
東証出来高(万株) 238244 東証売買代金(億円) 56928.57