SUBARU、通期営業利益予想50%減 米関税の影響2100億円反映

SUBARUは7日、2026年3月期通期の連結営業利益(国際会計基準)は前年比50.7%減の2000億円になる見通しと発表した。写真は同社のロゴマーク。2024年3月撮影(2025年 ロイター/David Dee Delgado)
Maki Shiraki Kentaro Okasaka
[東京 7日 ロイター] - SUBARU(スバル)は7日、2026年3月期通期の連結営業利益(国際会計基準)は前年比50.7%減の2000億円になる見通しと発表した。日米関税交渉での合意を踏まえて、関税措置の影響を2100億円と織り込んだ。
会社の通期営業利益予想は、IBESがまとめたアナリスト16人の予想平均値1918億円を上回った。通期の想定為替レートは1ドル=145円(前年は152円)。為替の影響は750億円営業利益を押し下げる見込み。
大崎篤社長は決算会見で、追加関税の合意を受けて「不透明感は一定程度払拭されたが、依然として大きな影響は残っている」と述べた。スバルは米国販売が全体の7割を超える。
会見に同席した戸田真介・最高財務責任者(CFO)は通期の米関税措置の影響額2100億円について、9月1日から自動車関税が15%に軽減される前提で試算したと説明した。
5月の前期決算発表時は、米関税の主力市場への影響が合理的に算出できないとして通期の業績予想の公表を見送っていたが、今回は現時点で入手可能な情報をもとに算定して開示した。
大崎社長はまた、ハイブリッド車(HV)に搭載する部品のトランスアクスルを生産する北本工場(埼玉県北本市)の生産能力を、27年には30万台弱水準に増強することも明らかにした。好調なHV需要に対応する。
一方、新体制方針で掲げた電気自動車(EV)の販売比率50%の到達時期はこれまで30年としていたが、EVの需要鈍化や規制緩和を踏まえて「30年以降」と先送りし、内燃機関車の生産比率を引き上げるとした。具体的な割合は検討中という。電動化投資1兆5000億円についても「投資タイミングや内訳も見直しの検討」をしていると語った。
同社はまた、発行済み株式の2.8%に当たる2084万株・500億円を上限とする自社株買いを決議したと発表した。取得期間は8日から12月23日まで。取得した自社株は全て消却する。日米関税交渉に一定のめどが立ったことから、総還元性向40%以上とする目安に即して自社株買いを決議した。