米旅行業界、消費者需要の回復傾向に安堵の声

7月29日、 米国の航空会社、ホテルなどの旅行業界からは、トランプ大統領の関税措置などで一時冷え込んでいた節約志向の国内消費者の需要が足元で回復し始めた状況に胸をなで下ろす声が相次いでいる。ニュージャージー州ニューアークの空港で2024年11月撮影(2025年 ロイター/Vincent Alban)
Doyinsola Oladipo
[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米国の航空会社、ホテルなどの旅行業界からは、トランプ大統領の関税措置などで一時冷え込んでいた節約志向の国内消費者の需要が足元で回復し始めた状況に胸をなで下ろす声が相次いでいる。
コンファレンス・ボード(CB)が29日発表した7月消費者信頼感指数もやや持ち直した。
こうした中で価格に敏感な層を主な顧客とする旅行関連企業は、これまでの厳しい事業環境が8月か、遅くても9月末には好転するとの期待が高まってきた。
ユナイテッド航空のアンドルー・ノセラ最高商業責任者は決算発表後の電話会議で「2月初めに需要が減退したのと同様のペースで、今度は需要が上向きつつある」と述べ、ここ数週間で先行き不透明感が後退したと付け加えた。
大手ホテルチェーンのヒルトンも、凍り付いていたビジネス旅行支出がようやく動き始めたと指摘した。
サウスウエスト航空のロバート・ジョーダン最高経営責任者(CEO)は「当社の事業は国内市場の比重が圧倒的に大きい点からすれば、国内需要環境の回復で際立った恩恵を受けられる」と分析。第2・四半期に需要が安定し、最近の予約件数は明確な事態改善を物語っていると説明した。
大半の航空会社やホテル事業者は4月から5月にかけて、貿易戦争に伴って不確実性がコロナ禍以降最大化した中で、業績見通しを撤回したり下方修正したりしていた。
しかしアメリカン航空は8月と9月に売上高が連続で上向くと予想する。アラスカ航空グループのアンドルー・ハリソン最高商業責任者は「クローザーイン・ブッキング(出発日や宿泊日直前の予約)」がより堅調になってきたとの見方を示した。
「スーパー8」ホテルを展開するウィンダムズ・ホテルズは、ウィスコンシンやミシガン、ミネソタ、ミズーリなどの州で販売可能客室1室当たり収益(RevPAR)が一段としっかりしてきたと述べており、頻繁に旅行するブルーカラー層の着実な需要が読み取れる。
マイケル・アレン最高財務責任者(CFO)は「8月にはより力強い夏の旅行シーズンになると期待できる」と語った。