ニュース速報
ビジネス

テスラ、サムスンと165億ドルの半導体供給契約 マスク氏公表

2025年07月28日(月)18時40分

米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は28日、韓国サムスン電子から半導体を調達する契約を結んだと明らかにした。資料写真、パリのテスラ店舗で2020年10月撮影(2025年 ロイター/Charles Platiau)

Heekyong Yang Hyunjoo Jin

[ソウル 28日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は28日、韓国サムスン電子から半導体を調達する165億ドル規模の契約を結んだと明らかにした。赤字状態にあるサムスンの半導体受託生産事業にとって追い風になる見通し。

契約締結のニュースを受け、サムスンの株価は一時6.8%上昇し、昨年9月以来の高値を付けた。

マスク氏によると、サムスンの米テキサス州テイラーにある新工場でテスラの次世代半導体「AI6」が製造される。

マスク氏はXへの投稿で「サムスンはテスラの製造効率最大化を支援することに同意した。これは極めて重要な点であり、私は進捗ペースを加速させるため、個人的に現場に足を運ぶ。この工場は私の家から遠くない便利な場所にある」と述べた。

また「165億ドルという数字は最低限に過ぎない。実際の生産量は数倍になるだろう」とも投稿した。

NH投資証券のリュウ・ヨンホ上級アナリストは、サムスンのテイラー工場は「これまで実質的に顧客がいなかったため、今回の受注は極めて有意義だ」と指摘する。

サムスンは、ある大手グローバル企業に半導体を供給する165億ドル規模の契約を26日に結んだと、相手先を明かさずに発表し、顧客側が契約の詳細について秘密保持を求めたとしていた。

複数の関係者はロイターに対し、テスラが契約先だと述べていた。

サムスンは人工知能(AI)半導体の生産競争で台湾積体電路製造(TSMC)やSKハイニックスに後れを取り、利益や株価に大きな重しとなっている。

キウム証券のアナリスト、パク・ユアク氏はサムスンの半導体受託生産事業の赤字が今年上半期に5兆ウォン(36億3000万ドル)を超えたと試算し、今回の契約が赤字削減に寄与すると指摘した。

AI6の生産開始時期は明示されていないが、マスク氏は以前、次世代半導体のAI5が2026年末に生産されると述べており、AI6はその後になるとみられる。

SK証券のアナリスト、イ・ドンジュ氏は、生産は27年か28年になると予想しているが、テスラは目標達成が遅れることが多い。

サムスンは現在、テスラのAI4を製造。AI5は台湾積体電路製造(TSMC)が製造する予定だとマスク氏が述べている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB9月利下げ、予想外の経済変化が条件=スロバキ

ワールド

IAEA、2週間以内にイラン訪問へ=外務省報道官

ワールド

無条件での即時停戦に合意、タイとカンボジア首脳 

ビジネス

アングル:中国ECで「即時配送」競争が激化、当局の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:山に挑む
特集:山に挑む
2025年7月29日号(7/23発売)

野外のロッククライミングから屋内のボルダリングまで、心と身体に健康をもたらすクライミングが世界的に大ブーム

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 2
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経験豊富なガイドの対応を捉えた映像が話題
  • 3
    運転席で「客がハンドル操作」...カリフォルニア州、テスラの「ロボタクシー」がサービス開始へ
  • 4
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 5
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 6
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 7
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 8
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
  • 9
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 1
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 2
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 3
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心中」してしまうのか
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 6
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 7
    「カロリーを減らせば痩せる」は間違いだった...減量…
  • 8
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 9
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 10
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 7
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中