日本・EUとの関税合意、米政策巡る不確実性や経済下押しリスクが低下=官房長官

林芳正官房長官(写真)は28日午前の会見で、米国が欧州連合(EU)と関税交渉で合意したことを受けて、日本やEUとの合意により「米国の通商政策に関する不確実性が低下し、日本経済や世界経済を下押しするリスクも低下させる」との認識を示した。都内で2023年12月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Rie Ishiguro
[東京 28日 ロイター] - 林芳正官房長官は28日午前の会見で、米国が欧州連合(EU)と関税交渉で合意したことを受けて、日本やEUとの合意により「米国の通商政策に関する不確実性が低下し、日本経済や世界経済を下押しするリスクも低下させる」との認識を示した。
その上で、米関税政策が国内産業や雇用に与える影響の緩和に万全を期し、一連の合意や各国の動向について影響の分析に努めると述べた。
米国とEUは27日、自動車を含めたEUからの大半の輸入品に対する関税率を15%とする枠組みで合意した。
一方、日米両政府の防衛当局者が参加する「拡大抑止協議」で 米軍が核兵器を使用するシナリオを議論したとの報道については、同協議には有事を想定した机上演習(シミュレーション)が定期的に含まれており、直近6月の協議においても机上演習を実施したと説明。米政府と緊密に意思疎通を図り、核抑止力を含む米国の拡大抑止の信頼性をこれまで以上に強化していく考えだと語った。
さらに「現下の国際情勢の下、核兵器のない世界に向けた道のりは一層厳しいものとなっている」と指摘し、唯一の戦争被爆国として核兵器国と非核兵器国の双方と連携をしながら、核拡散防止条約(NPT)体制の下で現実的かつ実践的なアプローチで「核兵器のない世界」の実現に向け全力で取り組む方針を示した。