NY外為市場=ドル/円下落、石破首相進退巡る不確実性で 日米貿易合意好感も

ニューヨーク外為市場では、ドルがスイスフランとユーロに対し上昇。一方、対円では下落した。2013年2月撮影(2025年 ロイター/Shohei Miyano)
[ロンドン/ニューヨーク 23日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルがスイスフランとユーロに対し上昇。一方、対円では下落した。日米貿易協定を受け明るい見方が広がったものの、石破茂首相の進退を巡る政治的な不確実性が重しとなった。
トランプ大統領は22日、日本との貿易交渉で大規模な合意を締結したと発表した。日本が米国に5500億ドル(約80兆円)を投資し、利益の90%を米国が受け取るとした。
石破茂首相は23日午後、自民党本部で首相経験者3人と会談した後に記者団の取材に応じ、一部で報じられた自身の進退について、「報道されているような事実は全くない」と否定した。
ワシントンのマネックスUSAのトレーディング担当シニアディレクター、フアン・ペレス氏は「(石破)首相が退陣を巡る圧力を感じているように見受けられる中、ドル円相場を動かす主な要因は政治的不安だ」と指摘。日米貿易協定については「今現時点では自動車メーカーに有利に働くが、関税はあらゆる交渉手段として今後も存在するため、関税引き上げを巡る懸念は市場に残る」と述べた。
終盤の取引で、ドル/円は0.06%安の146.565円。一時、11日以来の安値となる146.20円を付けた。
一方、ドルはスイスフランに対しては0.24%上昇し、0.79425フランとなった。
欧州連合(EU)が米国と進めている貿易交渉について、米国がEUに対する包括的な関税率を15%に設定することで合意する可能性があることが23日、複数の外交筋の話で分かった。外交筋は、米国とEUの合意は米国が日本と締結した枠組み協定を反映したものになる可能性があるとしている。
ユーロは対ドルで終盤にかけて下げから切り返し、0.08%高の1.176250ドル。
主要通貨に対するドル指数は0.14%安の97.33。
英ポンドは0.26%高の1.35690ドル 。
豪ドルは0.4%高の0.6584米ドル。一時、8カ月ぶりの高値を付けた。
ドル/円 NY終値 146.49/146.53
始値 146.40
高値 146.73
安値 146.12
ユーロ/ドル NY終値 1.1770/1.1774
始値 1.1725
高値 1.1775
安値 1.1711