中国人民銀、最優遇貸出金利据え置き 予想通り

中国人民銀行(中央銀行)は21日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想通り据え置いた。写真は北京で5月撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
[上海 21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は21日、銀行貸出金利の指標となる最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)を予想通り据え置いた。 1年物は3.0%、5年物は3.5%にそれぞれ維持した。 ロイターが市場参加者20人を対象に先週実施した調査では、全員が1年物と5年物の据え置きを予想していた。
中国の新規・既存融資は主に1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響する。
中国国家統計局が今月発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.2%増加し、市場予想の5.1%増を小幅に上回った。景気の底堅さが示されたことを受け、追加刺激策の緊急性は事実上低下した。ただアナリストの間では、根強い内需の弱さを踏まえると、年内に幾らかの金融緩和が妥当との見方が多い。
OCBCのアジアマクロ調査責任者トミー・シエ氏は「中国のGDPデフレーターは9四半期連続でマイナスだ」とし、「実質成長が目標を上回る一方で名目成長が弱い状況は、所得の伸びだけでなく企業収益にも重しとなる可能性がある」と指摘。
その上で「人民銀が年内にさらに20ベーシスポイント(bp)の利下げを行うと予想しているが、経済が直面しているボトルネックを考慮すると、より積極的な利下げの余地は限られているかもしれない」と述べた。