ニュース速報
ビジネス

「トークン化株式」も規制順守必要、米SECの共和党委員が見解

2025年07月10日(木)10時26分

 7月9日、米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員(共和党)は、株式などの現物資産をブロックチェーン技術によってデジタルトークンに転換する「トークン化」について、「トークン化されても証券は証券のままだ」とし、「トークン化した株式」などがあくまでも証券規制を満たさなければならないとの見解を示した。米首都ワシントンで2019年12月撮影(2025年 ロイター/Erin Scott)

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)のヘスター・ピアース委員(共和党)は9日、株式などの現物資産をブロックチェーン技術によってデジタルトークンに転換する「トークン化」について、「トークン化されても証券は証券のままだ」とし、「トークン化した株式」などがあくまでも証券規制を満たさなければならないとの見解を示した。

ピアース氏は暗号資産(仮想通貨)を支持する姿勢を示しており、「クリプト・ママ(仮想通貨の母)」の愛称を持つ。ただ、「ブロックチェーン技術が強力であっても、元の資産の性質を変える魔法のような能力はない」と指摘した。

「トークン化した株式」の取引は、仮想通貨の取引方法と似ている。投資家は証券を直接保有する代わりに、証券の所有権を示すトークンを保有することになる。

仮想通貨関連企業などは、「トークン化した株式」の取引に意欲を示している。米仮想通貨交換所大手のコインベースはロイターに対し、顧客に対する「トークン化した株式」の提供に向けてSECに認可を申請していることを明らかにした。

SECのポール・アトキンス委員長(共和党)は先週のCNBCテレビのインタビューで証券のトークン化について質問されると、SECはイノベーション(技術革新)を奨励すべきだと語った。

一方、「トークン化した株式」に対してはSECの監視を逃れる手段となり、個人投資家を新たなリスクにさらす恐れがあるとの批判も出ている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米テスラ、11月に年次株主総会開催

ビジネス

セブン&アイCFO、クシュタールとの協議「最終的な

ワールド

インド太平洋が「米外交政策の焦点」、ASEAN会議

ワールド

イランのIAEA協力再開、「二重基準」是正が条件=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 7
    【クイズ】 現存する「世界最古の教育機関」はどれ?
  • 8
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 7
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 8
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中