米大手22行、深刻な景気後退下でも十分な資本を維持=FRB健全性審査

米連邦準備理事会(FRB)が26日に公表した2025年の銀行ストレステスト(健全性審査)で、対象となった大手22行は数千億ドルの損失を出した後でも強固な資本水準を維持していることが分かった。2013年7月撮影(2025年 ロイター/Jonathan Ernst)
[ワシントン 27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が26日に公表した2025年の銀行ストレステスト(健全性審査)で、対象となった大手22行は数千億ドルの損失を出した後でも強固な資本水準を維持していることが分かった。深刻な景気後退が起きてもそれを乗り切り、融資を継続できる態勢が整っているという。
FRBが大手行の財務状況について毎年実施している「ストレステスト」の結果は、企業は潜在的な景気後退、失業率の急上昇、市場の混乱に直面しても依然として耐性があることを示した。
このシナリオでは、大手行が合計5500億ドル以上の損失を被り、資本水準が1.8%低下すると想定。それでもなお、銀行は規制で求められる最低資本水準の2倍以上を保有していることが示された。
平均して普通株等Tier1資本は11.6%の比率を保持しており、これは最低要求水準4.5%を大きく上回っている。
FRBのボウマン副議長(金融監督担当)は声明で「大手銀行は十分な資本を有しており、さまざまな深刻な事態に対して耐性がある」と述べた。
この結果は銀行にとって重要な意味を持つ。なぜなら、この検査での結果によって、銀行が潜在的な損失に備えて保有すべき「ストレス資本バッファー」が決まるからだ。FRB当局者によると、このバッファーは通常8月に最終決定される。またこの結果は、各行が近日中に自社株買いや配当を含む資本計画を株主に発表する道を開くものとなった。
当局者らによると、銀行は早ければ7月1日の米市場引け後に資本計画を発表できると述べた。
各銀行は25年のストレステストで、24年よりも概ね良好な成績を収めた。これは、今年のテストがそれほど厳格ではなかったことが一因とされる。
中でもJPモルガン・チェースはテストで自己資本比率を14.2%に維持した。国内6大銀行も2桁台の自己資本比率を維持した。
テストで最も高い自己資本比率を記録したのはチャールズ・シュワブで、32.7%だった。最も低かったのはBMOの米国事業部門で、7.8%だった。