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ゴールドマン、アジア投資銀行事業再編でシェア拡大目指す

2025年06月18日(水)15時23分

 米ゴールドマン・サックスの幹部は、アジアでの大規模な組織再編を活かし、投資銀行市場でシェアを拡大すると表明、「強い追い風」が吹いていると述べた。写真は同社のロゴ。2021年11月、ニューヨーク証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Andrew Kelly)

Selena Li Kane Wu

[香港 18日 ロイター] - 米ゴールドマン・サックスの幹部は、アジアでの大規模な組織再編を活かし、投資銀行市場でシェアを拡大すると表明、「強い追い風」が吹いていると述べた。

同社は2024年9月以降、アジアでM&A(合併・買収)チームの統合、金融・戦略投資家部門の統合、資本ソリューショングループの導入を進めてきたが、先月にはアジアの投資銀行3部門を1つにまとめ、責任者にイアン・ドレイトン氏を指名した。

再編後初めてロイターとのインタビューに応じたドレイトン氏は、今回の地域統合の狙いは「アジア太平洋地域全体のビジネスチャンスを拡大する」ことだと発言。

「統合されたアジア太平洋プラットフォームとして機能することで、より幅広い知見、よりスムーズな実行、地域全体の連携を通じた、より深いカバレッジを提供できる」と述べた。

再編前の投資銀行業務は、日本、オーストラリア・ニュージーランド、その他のアジア地域で個別に運営されていた。

ドレイトン氏は、統合後、大型M&Aと株式資本市場(ECM)が地域全体で明らかに上向いていると指摘。

「アジア太平洋地域では現在、強い追い風が感じられる。これは過去2─3年の特徴だった逆風とは非常に対照的だ」とし「市場心理、投資家の関与、取引の勢いが全て、より建設的な方向に向かっている」と述べた。

大手金融機関の間では、米関税政策に伴う市場の混乱でディールに遅れが生じるとの懸念が浮上しているが、ドレイトン氏によると、アジアではここ数週間でディールが再開し、市場が安定化。投資家は魅力的なバリュエーションの案件に資金を投じる構えだという。

調査会社ディールロジックのデータによると、ゴールドマンは16日時点で、今年のアジア太平洋ECMのリーグテーブルで首位に立っている。

ロイター
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