午後3時のドルは144円台で売買交錯、投機が円買い一部圧縮

6月9日 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤から小幅安の144円半ばで取引されている。写真は1ドル紙幣で、2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)
Shinji Kitamura
[東京 9日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末ニューヨーク市場の終盤から小幅安の144円半ばで取引されている。前週末海外市場で全面高となったドルが緩やかに売られたが、投機筋の円売り戻しの思惑も出回り、ドル/円の値動きは小幅にとどまった。
ドルは144円前半から後半を行き来する展開となった。前週6日は海外市場にかけて、米雇用統計が予想を上回りドルが全面的に上昇したものの、今週も11日の米消費者物価指数(CPI)など注目指標の発表を控え、一段の上昇には至らなかった。
内閣府がきょう公表した日本の1-3月期実質国内総生産(GDP)2次速報は、年 率換算で0.2%減と予想の0.7%減を上回ったが、円相場に大きな反応は見られなか った。「米関税政策による輸出や生産の減少など、日本経済が予断を許さない状況にある ことに変わりはない」(外資系金融機関のアナリスト)と受け止められたという。
市場では、海外投機筋の円買い仕掛けが縮小してきたことに、関心を寄せる声も出ていた。米商品先物取引委員会(CFTC)のIMM通貨先物非商業部門の取り組み状況によると、最新の3日時点で円の買い持ちは約15万枚強と、5週連続で減少した。
CFTCのデータでは、投機の円買いは過去最大を記録した4月下旬のピーク時から、ひと月で1割強減少した。15万枚は依然として過去最高に近い高水準だが「円高局面を捉えて着実に円を売り戻している可能性がある」(ふくおかフィナンシャルグループのチーフストラテジスト、佐々木融氏)という。
ドルは今月3日に142円半ばまで下落し、4月下旬以来の141円台が目前に迫った。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 144.40/144.44 1.1421/1.1422 164.94/164.95
午前9時現在 144.69/144.70 1.1406/1.1408 165.04/165.05
NY午後5時 144.85/144.89 1.1394/1.1396 164.99/165.16