ニュース速報
ビジネス

4月実質賃金1.8%減、4カ月連続前年割れ 物価高の圧迫続く=毎勤統計

2025年06月05日(木)08時32分

 6月5日、厚生労働省が公表した4月の毎月勤労統計(速報)によると、実質賃金は前年比1.8%減少し、4カ月連続でマイナスとなった。写真は5月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Tetsushi Kajimoto

[東京 5日 ロイター] - 厚生労働省が5日に公表した4月の毎月勤労統計(速報)によると、実質賃金は前年比1.8%減少し、4カ月連続でマイナスとなった。賃上げの効果で所定内給与と現金給与総額は共に伸長しているものの、それを上回る物価高が所得を圧迫する状況が続いている。

労働者1人当たりの平均名目賃金を示す現金給与総額は前年比2.3%増の30万2453円で、40カ月連続のプラス。所定内給与は春闘による賃上げや最低賃金の引き上げを反映し同2.2%増の26万9325円で、前月の同1.4%増から伸びが拡大し42カ月連続のプラスとなった。

一方、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は4.1%上昇と賃金の伸びを上回り、この結果、実質賃金は1.8%減少した。

消費者物価指数は、より国際比較がしやすい総合ベースで実質化した基準では3.6%の上昇だった。

共に増加を続ける現金給与総額と所定内給与だが、昨年末にかけてはそれぞれ3─4%台、2%台半ばの伸びを見せていた。厚労省の担当者は、今年になって上昇の勢いが鈍っていることに触れ、「今春記録的な水準に達した労使賃金交渉の結果が、今後の統計にどのような影響をもたらすか注視している」とした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

中加首相会談、李氏は関係強化呼びかけ 「利害対立な

ワールド

トランプ氏とマスク氏、6日電話会談へ 関係修復なる

ビジネス

テスラ株空売り筋、マスク氏とトランプ氏の決裂で40

ビジネス

第1四半期のユーロ圏GDP確報値、前期比+0.6%
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪んだ認知
  • 3
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 4
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 5
    壁に「巨大な穴」が...ペットカメラが記録した「犯行…
  • 6
    脳内スイッチを入れる「ドーパミン習慣」とは?...「…
  • 7
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 8
    女性が愛馬に「後輩ペット」を紹介...亀を見た馬の「…
  • 9
    韓国新大統領にイ・ジェミョンが就任 初日の執務室で…
  • 10
    ウーバーは絶体絶命か...テスラの自動運転「ロボタク…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 8
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 9
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 10
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 9
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 10
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中